（今回はトイレ系の話について書くので、そういう話題が苦手な方は他のもっと良い話を書いておられるブログいっぱいあるのでそちらへ避難してくださいませ…。）
…では書きます。
人間はトイレに入り用を足す。
ごく普通の当たり前のこと。
コロナウイルスは密閉空間で周りの人に感染する。
だから換気が大切というのもここ最近では当たり前みたいなもの。
ならば問いたい。
「ほぼ密閉空間であるトイレの中のコロナウイルスはどこに行くのだろうか？」
お店によってはトイレの出入り口を開放して換気しているという場所もある。
ショッピングモールでは空調を聞かせて空気の流れを作っているっぽい所もある。
綺麗なトイレも普通のトイレもちょっとヤバそうなトイレまで、さまざまなトイレがあの手この手で工夫をしてコロナウイルスにあらがおうとしている。
しかし。個室一つ一つをいちいち換気しているトイレはほとんどないのではないだろうか。
私はある日小綺麗なショッピングモールのトイレをお借りした。
ちょうど空室だったトイレがあったのでそこへ滑り込んだのだが、おそらく私が入るギリギリまで誰かが頑張っていたのであろう…いや、踏ん張っていたのであろうなんとも言えない香りとぬくもりがその個室にはモウモウと立ち込めていた。
前の使用者はおそらくかなり踏ん張り気張っていたのであろう。マスクをしていても香りが分かるとはよっぽどだ。
床に散らばった細かくちぎられたトイレットペーパーと便器にがっしりと残ったブラウンの跡でどれだけの大勝負だったのかが容易に想像ができてしまう。きっと片手間にトイレットペーパーをちぎり、手遊びで苦しみを紛らわせながら勝負に無事勝利したのであろう。
…というか、これだけ香りとぬくもりが残っているこの密室。
果たして、ウイルスだけ綺麗にいなくなっているだろうか？
…いや、きっとウイルスも残っているに違いない。
もしもこの空間を私の前に利用した人がウイルス感染者だったならば、私も感染してしまう確率が高い。
「…このトイレから出て、違う個室に行こうか？」
思わず扉を開けそうになったがおそらく外には人が並んで待っている。
ここは利用しやすい場所にある人気トイレだ。
今私がトイレから飛び出して、次の人がこの個室に入ろうものならきっとその人は私がこのトイレの惨状を産んだ主だと思い「あの人…がんばったんだなー」と思うに違いない。それは嫌だ。
きっとこのショッピングモールのトイレで顔を合わせたらその後もう二度と会うことは無いくらいのうっすい縁である相手なのだろうけれど、それでも私はそういう目で見られたくない。
「仕方ない…やるか！！！」
覚悟を決めて息をなるべく殺し・呼吸回数を極力減らして用を足す。
そして流れを詰まらせない程度のトイレットペーパーを巻き出して床に散らばったトイレットペーパーを処理した後にブラウンの跡を処理。
「これで完璧…」これですべての処理が終わったと気を抜きかけて気が付く。
いちばん肝心な香り対策が出来ていない。
「どうしよう…」さすがに持ち歩きのトイレ消臭グッズなんて持ってないし、制汗剤なんかも運悪く持ち合わせていない。私の装備は鞄と財布とスマホとエコバッグである。
考えろ…考えろ私！と焦れば焦るほどドキドキし、呼吸回数が増えてしまうし汗も出る。
「どうにもならねえ…。」とあきらめかけたその時、私は自分がスカートをはいていたことに気が付く。
バサバサと、音がしない程度に風を起こして全力で換気する。
もう私にはこれしかできない！うおおおおお頑張れ私のスカートオオオオオ！！！！！
怒涛の現場処理で何とかトイレの清浄さをある程度まで復活したが、香りが完全に消失したとは思えない。
「私の後にトイレ入った人が 今の人くっさ！！ って思ったらどうしよう」
でもこれ以上私に打つ手はない。
ドキドキしながら個室のカギを開けて外に出ると、なんと運よく誰もいなかった。
大急ぎで手を洗い、小走りでトイレを後にした。
疲れた。とても疲れた。数時間トイレに居たような気がするくらい時間が長く感じられた。
こんな妙な時間を過ごして何日か経過したけれど、私は相変わらずめちゃくちゃ元気なのできっとあの個室でなにかしらのウイルスに感染することはなかったのだろう。
しかし本当に。
多数の人が利用するトイレも家のトイレもそうだけど。
前の人が利用した直後にトイレに入ったらウイルスってどうなってるんだろう？
そしてそのまま換気されなかった場合、ウイルスはどこにいくんだろう？
前の人が利用した直後のトイレは大丈夫？どのくらい経てば換気されるの？
気になるけれど、ネットで調べるような気力は無い。
だけど気になる…そんな私なのでした。
