先日の早朝のこと。
室内が妙に煙臭くて目が覚めた。
用を足しがてらキッチンなどに目をやるも異変ナシ。
ふと窓に目をやると、窓の外が真っ白。
それを見た瞬間、すぐに理解できた。
「野焼きしてるな」と。
そっと外に出て様子を伺ってみると、家の目の前で2件の野焼きが行われており、その煙が合わさってあたり一面が霧のように真っ白になっていた。
そして、その煙は風に流されて、割と離れた近隣住民の家まで余裕で届いている。
きっとあの家に住んでいる人たちも煙たい思いをしているだろう。
いったい何時から野焼きをしているのか分からないけれど、その野焼きは午前8時30分を回っても続いていたのでかなり長い時間野焼きをしていたんだろうと思う。
申し訳なく思うけれど、私には止めることができない。
何故なら私よりはるか年上の人生の先輩方が、ことごとく野焼きをするからである。
この地域に長年住み続ける先輩方からすれば、私なんてここ最近現れた新参者。
年代的にも一番下っ端なので何か文句を言おうものなら「文句あるなら出て行け」て瞬殺されるであろう。
(こんな物言いをするような人はいないけれど)
そして私だってそんな地域の先輩方に倣って、家庭菜園で出た植物などを燃やしたこともあるけれど、しっかり乾かしてから燃やさないと不完全燃焼になって燃えにくいばかりか白煙がこれでもかと言う程出まくるし、燃え上がりはじめたら炎が怖いくらいに燃え盛るので「あ、これは万が一燃え広がったら絶対に止められないな」と思ったし、そうこうしているうちに「野焼きは条例で禁止されてる」という情報を得たので屋外で何かを燃やすことは無くなった。
しかし相変わらずみんな燃やし続ける。
私は「条例が…」なんて言えないし黙って見ているしかない。
車に乗ろうと愛車のところへ行くと、愛車は野焼きで発生した灰やホコリをかぶって白っぽくなっていて。文句の一つも言いたいけれど、それも我慢するしかない。
何をそんなに燃やしているのか。
基本的には草刈りで刈った草や山の木を切って出てきた枝や幹だが、ゴミステーションまで行く道のりが遠いせいもあるのか家庭ごみを燃やしている人もいるし、酷い人になると椅子や机・こたつなどの大型家具まで燃やして黒煙を上げている人もいた。
森林があるからいくらでも木や草が伸びる。
それらを手入れしていたらどうしても刈った雑草や切った木の枝や幹が出る。
そして、そんな草や木の枝・幹を山積みにしていると虫が湧いたり害獣が周囲を掘り返したりするから燃やして処分しないといけない…という感じらしい。
しかし条令をちょっとだけ調べてみると「農業をしていて発生するごみならば燃やしても良い」みたいな感じで、地域の人たちが燃やしているような「農地でもない場所に生えた草を刈った刈草」や「林業をしているわけでも無い、放置気味の山を気まぐれに切って発生した木の枝や幹のゴミ」など全く農業や林業とは関係ないものは「燃やしていい」とは書いてない。
しかし、田舎の限界集落みたいな地域だとそんな情報はいきわたらないのか。
それとも「分かっているけどやむをえない」と思っているのか。
雨が降る前の日なんかにはモクモクと白い煙が上がり続ける。
あれだけニュースで山火事なんかの情報が回ってたり、この地域でも何回がボヤが起きたりと「火の怖さ」を知る機会は何度もあったし草や木のゴミの処理の仕方を考え直す機会だってあったはずなのに、ボヤを起こした張本人でさえも相変わらず火の番すらせずほったらかしで野焼きをしていたりするから恐ろしい。
「火の用心!」と言いながら日中やってくる防災の車の人たちに言いたい。
特に雨の前の日、目の届きにくい田舎の山を見て。白い煙が登ってるのが見えるから。
白い煙が見えたら、無音で近づいてみて。高確率で「無人野焼き」が行われているから。そして大体消火設備や水の無い場所で、消火の用意一切なしで野焼きしてるから。
いやマジでほんとに誰かなんとかしてください。マジ助けて!
下っ端の私じゃ人生の先輩を止められないし叱れない。
だけど肝心の先輩方は「野焼き賛成派」ばかりだし、木や草が伸び続ける限り永遠に野焼きが行われて私や夫の車は灰を被り続けてそれでも我慢し続けないといけない。車以前にそもそも臭いし。
大体素人が適当に切った草や木を山積みにして表面だけ乾かしたところで綺麗に燃えるわけが無いし、綺麗に乾かした所で結局ものすごい白煙上がってるし。朝靄かと思ったわマジで。
ていうか私も不思議に思ってる。
「万が一燃え広がったらどうやって消火する気なんだろう?」って。マジで消化設備一切ない場所で水も用意せず燃やしてるからね彼らは。
たぶん、万が一が怖いからこそ「雨の前の日」を狙って燃やすんだろうけど。
雨がそんな都合よく降ってくれるか?
小雨の場合や霧雨の場合もあるぞ?大丈夫?
無人野焼きじゃ初期消火もできないだろうし、人が居たとしても大体「後は勝手に消えるだろう」っつって最後までキッチリ消火せずに火をくすぶらせたまま家に帰ってる人ばっかりだからね。今のところちゃんと勝手に消えてるから大事には至ってないけども。
皆、火が怖くないのかなぁ?
いくら「キレイな地球を保とう!」と努力をしたり、条令を出したり、ビニール袋なんかを削減したとしても、田舎の隅っこででたらめに草や木・家庭ごみ時には粗大ごみなんかを燃やしたりしてたら全くの無意味じゃないのかな…と思いながらも、野焼きで山火事にならないことを願うくらいしかできない私なのでした。