私は、冬になると質の悪い手荒れに悩まされる。
原因は明らかに「熱湯に台所洗剤を溶かして素手で皿洗いをする」からだ。
だって油汚れが落ちなくて、二回も三回も洗い直しするの嫌なんだもん。
とはいえ、今まではずっと「爪に症状が出るだけ」だった。
インターネットで調べると「爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)」というのにちょっと似たような感じで小指の爪の先端側にある白い部分(爪切りで切る部分)がだんだん下へ下へと広がってきて「これ、放っておくと爪がはがれるんじゃないかな?」と焦るくらい爪の真ん中あたりまで剥がれたように白くなり、急にじわじわと治り始めるという状態だった。不思議と春ごろには完治する。
しかし今回は右手の人差し指が手の甲あたりまで湿疹を発生させながら赤く腫れており今まで見たこと無い症状。小さな水膨れのようなものがたくさん確認でき、地味にかゆい。
「これじゃまずい」と皿洗い用のビニール手袋を着用開始したら、何とか症状の進行は止まったように見えるのだが、腫れている部分の皮膚が突っ張って指を曲げるのも一苦労。
こんな腫れ方をするのは初めてで病院に行こうかと悩んだけど、今の時期ちょっとお店に行っただけでも誰かしらが「あっちでゲホゲホ、こっちでゴホゴホ」してるのに病院なんて行ったら思いっきり風邪をもらって帰ってくるだろう。私に体力など無いのだから。
まあ、このまま様子を見ながら・ユースキンを塗りながら完治を待とうか。
そんな風に思って悠長に構えていたのだが、腫れてる部分を軽くぶつけるとめちゃくちゃ痛いことが判明した。患部が軽く机にぶつかっただけなのに「机をたたき折ってやろうか」と思うくらい痛くてイライラしてしまったのだ。
とっても良く使う、利き手の人差し指。
タイツを履こうとしてはこすれ、ズボンを履くときにこすれ、物を取るときにぶつけ、包丁で食材をカットした瞬間にまな板に当たり…物に接触する機会は無限大。
実は、物にぶつけたりこすったりする機会がめちゃくちゃ多かったのだ。
この状況になってみて、はじめて右手の人差し指の大変さに気が付いたが、今の私にできることと言えば患部にばんそうこうを巻き付けることくらいである。
こんな状況になってから、今までずっと何の苦も無く楽しんでサクサクと出来ていた夕食作りが急におっくうになってきた。
「ああ、指をぶつけたくないから料理したくない」「まな板に当たって痛いから、できる限り包丁使いたくない」
ああ、手を使う作業の何もかもがやりたくない。洗濯物なんて畳まなくてもシなねえよ!なんでこんな日に限って、私は「腸やエラを取らないと調理できない魚」なんかかってきてしまったんだよ、どのレシピ検索しても「まずはぜいごをとってはらわたをとってエラを取って下ごしらえして…」からはじまってやがるこの魚…!!
いっそのこと、黄〇伝説みたいに油に放り込んで素揚げしてやろうか!!いやでもさすがにそれをやったら多分家族が引いてしまう…あああぁめんどうくさいすべてがめんどうくさい…。
そしてそれ以上に、面倒くさいことが私に当てつけの様に放置されてて「やっといてね」と言わんばかりに用意されて置いてある…。
「あなたはやってくれるよね?」ってみんなすぐに私を当てにして面倒くさい事や細かい作業を押し付けてくるんだ。私が「言い返してこないし言うことを聞いてくれるし放っておけばやってくれる」と勝手に思い込んでいるんだ。
なんで自分で最後まできちんと面倒を見ない?なんで自分で使い切らない?なんで自分がきちんと使うわけでもない物を持ってきて放置する?
百歩譲って処理しやすい物ならまだいいけど、ちまちまちまちま処理しないといけないようなレベルの物を「さあ、やっておいてくれ」といわんばかりに置いておくのはだめじゃないの?めんどうくさくて自分ではやりたくないんでしょう?そんな「自分でも面倒くさくて処理したくないようなもの」をわざわざ持ってきて人にやらせるの?自分でやらないようなものを人にやらせるって頭おかしいんじゃないの?
指の調子が悪くて、痛くてかゆくてイライラしているところに私宛に見える雑用の放置を見つけてしまい気持ちがイライラ・フツフツと静かに燃え上がる。ああもうこの指の調子が悪い時にクソめんどうくせぇ案件持ってくるんじゃねえよ!!
そんな風に「人に対してイライラ」しながら気が付いた。
…そうだ、私の「体調が悪い」ということにして皆に具合の悪さをアピールしたら、やりたくないことをやらなくてもゆるされるんじゃないだろうか?指も痛いし、後は具合が悪そうな雰囲気で座ってしんどい状態をそれとなく口に出してアピールすれば「できなくても仕方ない」ってなるんじゃない?
そう気づいてから「どういうタイミングでなんて言ったら具合が悪そうな感じが出せるか」とか「具合の悪そうなふりをどうやってやろう」とか考え始めた自分がいた。
…あれ?私いま、めちゃめちゃ卑怯じゃない???
確かに指の調子は悪いけど、そのほかに調子が悪い部分はどこにもないし体調的にはむしろ元気。
それなのに「やりたくないことがある」から「具合が悪い」と嘘をついて「やらなくても許されるように」しようとしている。
なんなら「具合が悪い振りをしよう」と決めた瞬間からなんかちょっと具合が悪くなってきたような気がするし、「具合が悪いと言えば許される」と思っていて「具合がわるくなければ・なにか不都合が無ければ許されない」と思っている。
その「やりたくないこと」自体は全然大したことではなくやろうと思えばすぐにできること。だけど「直接頼まれたわけでもないのに仕方なしに私が処理してて、置いておけばやってくれると味を占められて、いつも私宛と言わんばかりに当たり前のように置いておかれる事」が気に食わないだけ。要は私の気分の問題。
そもそもその「やりたくない事」は放置しておけばいずれ本人がやってくれる内容。
やらないことによって誰かが困るわけでもないし被害があるわけでもない。
私が勝手に「やらなきゃ」と思って処理したら、相手が「やってくれるんならラッキー」みたいな感じで気が向いたときに持ってきて放置するようになった。
普通に「やっておいてくれ」と言われれば全然やる。普通にやる。
ただ、地味に面倒くさい。やることが増える。自分の想定している動きからちょっとだけ増える。
…うーん。「やってもいいけどできればやりたくない」「なんで私がやらないといけないんだろう?自分でやってくれたらいいし、自分でやる分だけ持ってきたらいいのに」と思うのが本音。
それならそれでいいじゃない?自分で嘘までついて具合が悪い演技をしてまで「やらなくていい理由」をつけないといけないほどの案件なの?
相手も大人だし体も健康なんだしそっとしておいてもいいんじゃない?本人がやればいいんじゃない?
相手が放置している事を勝手にこっちが「これは私がやらなきゃいけない!」なんて勝手にやる気を出してやって、その挙句に「私がやらされるばかりだ!」「なんで私ばっかり!」なんて被害妄想を膨らませて相手を嫌いになるのも馬鹿げている。
私の良くない部分としては「他人の問題までいちいち全部自分でしょい込もうとする」ところ。相手が悪ければ「この人は全部聞いてくれる」「全部助けてくれる」「全部やっておいてくれる」「便利!!」となって都合よく使われてしまう。
うーん、こうやって文字数多くゴチャゴチャ考えすぎてしまうのも私がリア充になっていけない理由の一つなのかもしれないな。
シンプルに「やりたくないならやりたくない」で。
本当はそれだけでいいんだろうなあ。
やりたくないこともゴチャゴチャ理屈をつけてやって、結局後でずっとイライラモヤモヤしていたり根に持ったりしていないで。
あの時私を都合よくあつかったくせに…といつまでも怒っていないで。
どうせコレは私がやらないとけないんだろうな、でもやりたくないな。ていうかなんで毎回毎回自分でやらないのあの人、なんで私を当てにして放置するの…とグルグルグルグル考え続けてないで。
何かやりたくないことや回避したいことがあったら物凄い文字数で理由を付けたり具合が悪いフリや都合がつかない言い訳を考えたりしないで。
小さなこともいちいち大げさに受け止めないで。
人に対して勝手に妄想を膨らませて・すぐにイライラしないで。
やろうと思ったらサッとやって、やりたくないと思ったらサラッと放っておける。
そういうシンプルな対応を早急に身に着けたいので、今回の件からシンプル対応をしていきたいと思います。(まずはやってみて考えよう!)