コロナウイルスの影響で、お店に買い物へ行くたびに出入り口で手をアルコール消毒するのが当たり前になりつつある今日この頃。
私は相変わらず「必要な物をさっさと購入してお店から出る」スタイルを取っており、基本的にお店へ向かっている最中からちょっと焦っている。
お店に滞在する時間を少しでも減らすためでもあるしコロナウイルスをもらわない・移さないためでもある。そして、この蒸し暑い気温の中マスクを装着したままウロウロするのが地味にしんどいためでもある。
「早く買い物をして早く帰ろう。」
車でお店に到着して、お買い物リストを手に持ち素早く店内へ入る。
私がうろつくお店には大体店内入口を入ってすぐのあたりにアルコール消毒があるからササッと消毒を済ませて買い物をスタートする。
通いなれた店内で目当ての商品をサクサク探して買い物かごに入れていく。
大体の商品の配置が分かっているから、商品を探し回る時間はいらない。
なんてスムーズ♪
こうして素早くお買い物を済ませてお店を後にする私。
いつもはこのまま速攻で家に帰宅する。
しかしこの日はどうしてもパン屋さんに寄りたくて仕方なくなった。
コロナウイルスもどうやらひと段落しつつあるし、そもそも私の住む地域はコロナウイルスが広がってはいないようだし…これだけ自粛してきたんだからほんのちょっとくらいパン屋さんに寄ったってバチは当たらないでしょう?
…いやいや、でもそんな一時の気のゆるみで万が一ウイルスをもらってしまったら?
今までの自粛は完全に無意味になるし自身もその周りの人たちも危険にさらされてしまうのよ?
うーん、だけどそもそも私の住んでいる県内で発症した人が居るというのはニュースで耳にするけれど実際に身近でコロナに感染した人の話なんて聞いたことがないんだよな…。
私の中で「美味しいパンを久しぶりに味わいたい悪魔」と「自身と周りの人間の安全を守りたいから自粛継続を推奨の天使」がせめぎあっている。
私はエアコンもつけていないどころかエンジンすらもかけていない、直射日光にさらされた車内で悩みに悩んだ。
そしてあまりに暑くてマスクの下が汗だくで飲み物も欲しいし昼ごはんを作る気力も完全に失ったので悪魔の声に従ってしまった。
車を走らせてパン屋さんに到着。
ミッションは「美味しいパンを速攻で選んで購入し、戻ってくる」こと!
例の如く私は大急ぎでパン屋さんの店内へ突撃した。
店内へ侵入成功した私は物凄く驚いた。
何故なら「アルコール消毒」が無いのだ。
「嘘だろう!!?こんなご時世なのに!!!???」
私は焦った。店内をグルグル見渡した。お客は私しかいないので、店に入ってきて店内をグルグル見渡している私を店員さんが不思議そうに見ている。
「こっ、これはヤバい…!一応さっきのスーパーでアルコール消毒をしたとはいえ少し時間も経っているし、店員さんからすれば私の存在は(このご時世にアルコール消毒をしないヤバイ客)でしかない…!!」
でも無い!どれだけ探しても出入り口に無いんだよ!!アルコール消毒が!!!
これじゃあ「美味しいパンを速攻で選んで購入し、戻ってくる」ミッションは失敗だ!
だけどこの手で…このアルコール消毒を行い立てじゃないこの手で…トングを持つのか???
いや、それはダメだ。お店の備品を汚すわけにはいかない。
それにここはむき出しのパンを置いてあるパン屋さん…私が万が一触れてしまうとコロナどころじゃない雑菌が付いてしまうかもしれない…。
どうしよう、いったんお店を出るか???
だけど何も買わずに出て行くと余計に不審者感が増す。
店員さんにアルコール消毒の位置を聞くか?
だけど店員さんも客との接触は極力控えたいはず…。
…どうする?どうしたらいい?誰か…誰かタスケテー!!!!
内心すごく焦ってるしマスクの下は未だかつてないほど汗でビッシャビシャ。
ちょっとパン屋さんでパンを買うだけのはずだったのに、なんでこんな思いをしなきゃいけないんだよ…。
私は悩んだ。
ほんの数分の出来事だったのかもしれないが、私には数十分に感じられた。
そして決断した。
「さっきのスーパーのアルコール消毒を信じよう!!!」
決断というよりはやけっぱちになっていただけかもしれないが、私はトングとトレーを手にした。
そして目についたパンを高速でトレーに乗せていく。
焦りのせいで頭が回っておらず、好みのパンというよりも目についたものを適当にトレーに乗せていったという方が正しい。
そして私は速攻でレジへ向かいお会計を済ませた。
店員さんも普通に対応してくれて無事にパンの購入を終えることが出来た。
…はー、つかれたあ。
ヘロヘロになりながらお店を後にして車に乗り込む。
ただ美味しいパンを買いたかっただけなのに、良く分からないパンばっかり購入してしまった。
ゲンナリしながらお店の玄関口を見ると、出入り口付近にチョークアートが施された看板や綺麗な緑色の葉っぱが生い茂っている植木鉢とともにアルコール消毒が鎮座していた。
「…お、お前…そこにおったんかい…!!!」
さすがおしゃれパン屋さん。
白いおしゃれな台に白っぽいアルコール消毒を乗せているのでもはやインテリアにしか見えない。
「私、試されてたのね…!?」
私は「アルコール消毒は入り口を入ったあたりに置いてある物」と完全に思い込んでいた。
しかし、お店によっては入り口に入る前に置いてあるパターンもあるのね。
時短と自粛で慣れたお店にばっかり通っていたので他のパターンを初めて知ったわ。
それからというもの、お店のアルコール消毒がどこにあるのかを落ち着いて把握しながらお買い物を進めるようになったんだけど、本当にお店によって違う。
出入り口より前にあったり、出入り口を入った後にあったり、めちゃめちゃ分かりづらい位置にあったり、右側だったり左側だったり…ほんとうに色々。
しかもアルコール消毒のボトルがだいたい白っぽいから、白などの薄い色を基調にしたお店だとすごく探しづらい。
あと、ドラッグストアとかの背景色がゴチャゴチャしたところの隅に置いてあるパターンも案外探しづらい。
入店するときには見つからなかったのに、お店から出るときになって見つかるパターンもあったりする。
店内の配置が違うから皆同じ位置にアルコール除菌を置くことはできないんだろうし、そもそも外から来てる時点で本来なら全身を消毒しないと意味ないんだろうけど、お店を少しでも汚さないためにもできる限りアルコール消毒して入店したいからもう少し分かりやすい配置になったり、置き場所を統一してくれたらいいなあと思った私なのでした。
ちなみに良く分からないパンはめっちゃくちゃ美味しかったです。