最近ね、家族が
「あー、なんか調子悪いわー」
「頭がぼーっとするわー」
「寒気がするー」
とかボソボソ言ってたんですよ。
でも私は、そんな家族に「当たり前だろ」としか言えなくて。
だって、風呂上がりに髪乾かさないでビッシャビシャの頭のまま、薄っぺらいジャージ着て立膝ついてスマホに夢中になってんだから。
体も冷えるし具合も悪くなるでしょうよ。
おまけにこの人、こういう季節の変わり目に熱出して。鼻水が喉の奥に流れてくるとかなんとかで体がちょっとトラブル起こすのが度々あって。
こっちは「あー、またいつものやつだなー」くらいの感覚だった。
この人の体調不良に親身になれないのは他にも理由があって、以前私がとてつもなく体調崩してトイレに駆け込んでは吐き、戻ってきてはまたトイレに駆け込んで吐きを繰り返してた時に「大丈夫?」って一声かけるだけかけて普段通り過ごしてさっさと寝ちゃったんですよ。
そりゃあ、苦しんでる私と一緒に起きてたところで私が回復するわけでもないし家族は明日も仕事だし仕方がないことだとはわかるんですけど…もうちょいなんかこう…ねぇ?
…まぁこんな感じで家族を全然心配できない私は、義理の実家の小さな一室でこの家族と長い時間を共にして飲食もしました。
そして翌日、家族はいつもの体調不良にしては珍しく「喉がめちゃくちゃ痛い」と言っており、熱を測ったら38度近く。ここで初めて「ただごとじゃねえ!」と気がつきます。
時間は夜9時を回ってる。
いきなり休むことが難しい職場。
会社に自分の業務を代わってくれる人がいないため出勤するしかないらしく、じゃあとにかく会社が営業開始し次第上司に休みを交渉したほうがいいとすすめます。
基本個人行動の会社で人と集団での関わりがほぼないのがせめてもの救い。
とはいえ私は会社の関係者ではないのであまり「ああしろこうしろ」とは言えない。家族の判断に委ねるしかありません。
そして翌日。
家族は会社を早退。
「上司にコロナ検査に行くように言われた」と。
心配できないとか言ってた私も、早退させてもらえたことにすこしホッとしました。
しかし検査の予約はなかなか取れなかったらしく、やっとのことで地域で大きめの病院でドライブスルー検査を受けることができたそう。
この時期コロナ疑いの人が多いらしく、検査結果はすぐ出ない。1日〜2日待つらしい。
(インフルとコロナ、2つの検査を受けたそうです)
そんなこんなで私は、義理の実家の小さな一室で家族と検査結果を待つことに。
さすがにもうノーガードは無理だ。今更ながらマスクをつけて換気を始めます。
というか、家族の体調が怪しい時から何日も真横にいたのだから私も感染してる可能性が高い。感染してるとしたらそろそろ発症してもおかしくありません。
今はまだなんともないけれど、もしもコロナに感染していて…
義理の家族にうつしたらどうしよう。
悪化して家族が手術とかになったらどうしよう。
私も感染してて喉の激痛と高熱に苦しむことになったらどうしよう。
高齢者多めの地域だからご近所さんにうつしてしまって万が一にも亡くなってしまったらどうしよう。
いろんな不安が頭をよぎりましたが、なんとかコロナが陰性であるように祈ります。
そんな不安いっぱいの中家族のスマホが鳴ります。病院からの連絡。
冷や汗がでましたが、どうやら先にインフルの結果だけわかったらしくインフルエンザは陰性でした、コロナの結果はまた後日…との連絡。
インフルは陰性。
ホッとて少し力が抜けたと同時に、インフルが陰性ならコロナも陰性なんじゃない?なんて甘い考えが浮かびます。
「うんうん、どうせいつもの風邪だよねきっと」と自分で自分を安心させます。
「だって、家族も親族も近所もコロナになったって話聞いたことないしなぁ」
「確かに世の中はコロナでヤバイんだろうけど周りに感染した人が誰一人居ないんだよなぁ」
正直、どこかで人ごとみたいに思っている自分もいました。そこにインフルも陰性ときたら、自分にとって都合のいいところだけかいつまんで繋げて「○◯で◯◯だし、◯◯だから大丈夫!」なんて考えてしまいます。
そしてなんとなく安心しつつ迎えた翌日、家族のスマホへ病院からの連絡。
電話をかけてきた人が「先生に代わります」と言うのでなんだか嫌な予感がしたその矢先に電話口で先生が「コロナの検査は陽性でした」と告げました。
そして先生は忙しいのか、簡単に説明をしてくれてあっさり電話終了。「自宅療養してください」以上。でした。
テレビで色々見てきていたのでコロナになったら大変な何かが起きるのかと思ったらものすごくあっさりで。
スマホで何かを登録(?)する以外は、病院に来いと言われるわけでもなければ消毒部隊が家を消毒しにくる訳でもなければ救援物資のようなものが送られてくる気配もありません。(今、自宅療養4日目)
家族が高熱と喉の激痛で苦しんでいる以外は何も普段と変わらない。
検査の時に家族がもらってきた紙には「無症状だったら最低限短時間の買い出しはしても良い」と…マジで!?疑わしきものは隔離しなくていいの!!?
この家は今確実に汚染されているし、感染しているならもうみんな菌は持ってるだろうなってくらい体調不良発覚から時間が経過していた。
地域の行事も控えてることだし感染してるなら早く分かった方が良い。ご近所にコロナをばら撒くわけにはいかない。
家族のコロナ発覚後に大急ぎでセルフレジのある薬局に駆け込みコロナ検査キットを買ってきて全員で検査。
一箱4,000円近い金額は痛かったし、店員さんが「このキットは医療用じゃないから、今菌を持っているかどうかしかわからない。検査時期が早すぎると結果がちゃんと陽性にならない。陽性だったら医療機関に行ってもらう必要がある」とかすごい剣幕で一気に教えてくれて。
多分「検査キットが医療用じゃない」とかそういうのをお客さんとやりとりしまくっててトラブルとかなんか起きたりして何回も説明しまくってるとかで店員さんも大変な思いしてるんだろうなぁ…っていうのが汲み取れるような対応で。
私が「それで大丈夫です…よ?」って言ったら店員さん納得してくれたみたい。無事に家族分の検査キットをお買い上げしてダッシュ帰宅。
コンビニとかめちゃめちゃ寄りたかったけど自分は今限りなくグレーな存在なんだと思ったら寄り道なんて出来なかった。検査キットだけ握りしめて速攻帰宅。
その後みんなで検査してみたらまさかの全員無事陰性。
とはいえ安心はできない状況なので、人との関わりも買い出しも最低限でがんばります。
とりあえず1週間ちょい、家族は会社を休むことになったので回復してもらえるようにしつつ自分達も感染しないように注意するのみ。
はー、まさかこんなに身近に感染者がでるなんて…いったいいつ?あの時?この時?そんな時?
あーもうゴチャゴチャ原因考えたって、感染したもんはしょうがねぇ。
とにかく今できることをやらなければと、物干し竿と毛布で部屋を仕切って感染ゾーンと非感染と思われるゾーンを区分けしました。
(感染ゾーンはちょっとしたキャンプテントみたいになって中に入ると妙に落ち着き、テンションが上がりました。)
そこからはもう、消毒!消毒!!
区分けからの療養食作りからの高熱・扁桃腺の腫れ対策グッズ調達からの消毒です!
もうとにかく消毒そして常に換気。
ほんと、まだ日中はうっすら暖かい地域+時期で良かった。
これ、2月とかの極寒シーズンだったら、寒い地域だったら、こんなに換気するの無理じゃないですか?
コロナじゃなくても普通に寒さで風邪引きそうです。
そして区分けしたところで同室だと不安だし寝苦しそうな物音もすごいしでこちらも眠れないんですよね。
最終的に仏間を使わせてもらうことにして、家族には仏間へお引越ししてもらいました。
あとは看病看病・看病です。
さあ、長々と書いて参りましたがここからは濃厚接触者になってみての感想や分かったこと、私なりの対処法などを乱雑ですが覚え書きしておこうと思います。
●コロナはヤバイ
今回家族が感染したコロナが何株かはわかりませんが「急な高い発熱&扁桃腺がとてつもなく腫れて喉が激痛で唾を飲むのすら大変」と言うことがわかりました。こりゃあかかったら辛いぞ…みてるだけでヤバイ。
●身の回りにコロナ感染した人が居ないといまいち実感が湧かない。
世の中がコロナでヤバイと言うことはなんとなくわかるしお店の出入り口の消毒も毎回行うしマスクも着用する。人混みも回避する。だけど身の回りにコロナ感染した人が居ないからなんだかいまいち実感が湧かない。なぜかどこかでなんとなく自分は大丈夫な気がしてる。私はこんな感じでした。家族がコロナ陽性と言われて一瞬目の前が貧血の時みたいに真っ暗になって思考停止し、回復しながら「コロナってホントにあるんだ…えっまってこれやばくない?」って初めて焦り始めました。自分が体験することにより初めて他人事から自分ごとになった感覚です。
●消毒
ペットもいるし、念のため食品用のアルコールで対応しています。
感染した家族がトイレに入った後にはドアノブなどに噴射。スイッチ類は布にアルコールをつけてふきふき。お風呂に入った後にも噴射。
もしもアルコールで変質したり劣化が早まっても背に腹はかえられぬのです。
洗い物の際は元気な人の洗い物を先に済ませて、感染した人の洗い物をシンクに置いてとりあえずアルコール噴射。その後食器を洗って干します。スポンジは分けて・食器を干すところも大きめのトレーと100均のシャムワウの偽物を活用して即席で作りました。食品用のアルコールでコロナ菌を倒せるのかはわかりませんがとりあえずやるだけやってみる。
●やらなきゃいけないことはサッサとやる。
普段の生活サイクルに看病が割り込み、頼まれ物の買い出しなども増えます。そんな時でも義母が「夕食はおでんにしてもらっていい?」とか古い木材を交換して欲しいとか要望を伝えてきたりします。おでんは煮込むだけで簡単とかおもってる?下茹でとかなんやらで案外めんどくさいし大変な割にはそんなにご飯が進まないしいろんな形のちくわとも結局全部同じ味で飽きるし私そんなに好きじゃないんだけど?なんて思ったりします。しかし、めんどくさいからと後に回せば回すほどだんだん面倒くさくなるし要件を全部忘れないように覚えておかなきゃいけないしなぜか頼んできた人に対してイライラしたり自分でやれやと思ったりします。そんな時にペットのしつこい要求鳴きなんかあった日には何かに八つ当たりしたくもなり、全部投げ出したくなったりもします。
だからもう、余計なことを考える前にサッサとやる。「はい喜んでー!」っつって。今溜まってる要件をどれからどのようにこなせば効率が良いか最初に整理だけして、簡単なものから片付ける。看病用のお粥なんかも朝多めに作っておいて昼は海苔と醤油、夜は魚肉ソーセージなんか入れたりして味を変えて。手を抜けそうなところを探し出して手抜きをするのです。
自分がストレスでいっぱいにならないことがポイント。
●家族が具合の悪い私に対してドライな理由がわかった。
家族の周りにいる人が、コロナ感染した本人に対して「大丈夫なのか?」「具合はどうだ?」とか全く言わなくて。どちらかといえば「自分達はどうなるのか(濃厚接触者として自宅待機になるのか?地域の行事があるんだが?)」とかなんとかそう言う系のことばかり気にしてて。まぁ看病は私に任せてるから余計なこと言わないようにしようって配慮があるかもしれないし元々感染した家族とはドライな付き合いしてるっぽい?(家族愛はちゃんとあるけど極力本人の意思に任せる方針?自己責任?)
まぁ、なんか見ていて「あー、自分がドライ系な育ちで生きてきたから私に対しても同じようにドライな扱いだったのねー。」となんか納得したので、私に対しての扱いに私の理想のあたたかさを期待したり要望するのはやめようと思った。
●必要なものは本人に聞いてから買う。
身内のコロナ感染。薬局に行けばあれもこれもそれもどれも買いたくなります。これがあると便利じゃないか?あれがあると役に立つんじゃないか?
色々買い漁って帰っても、案外使ってくれません。
我が家で役に立ってるのは「パウチに入ったゼリー飲料」「のどぬーるスプレー」「乳飲料」「プリン・甘いヨーグルト類」でした。こう言う時はスポドリだろ!と思いがちですが、扁桃腺が腫れすぎていてスポドリどころか水も染みるとのこと。まさかの雪印・コーヒーが大活躍ですよ。冷えピタとかもいるでしょ?と聞いてみたけど必要ないらしい。
こちらが気を回して色々買ったところで使ってもらえない&お金が飛んでいくだけだったので、必要なものを買いに行くときにはちゃんと本人に聞いてから行ったほうが良い。
●嫌味を言いたくなっても言わない。
私もね、何回も書いてる通り「自分がしんどかったときに助けてもらえなかった悲しさ」をね、ちょっとぶつけちゃったんですよ。
「私が辛い時にはあなたはサッサと寝たのに、あなたの時は看病してもらえていいよねぇ?」なんて。ちょっとふざけたテンションを織り交ぜつつも内心マジモード。こう言う時って日頃の不満とかもブワーッと出ちゃうよね。
そしたら相手はしんどそうな顔で「満足した…?」って。
もう「は?」ですよ。何も伝わらなぇんだなコイツはと。満足ってなに??
こっちは「ごめんな、今度何かあった時は自分も頑張るから」みたいなさぁ。「看病してくれてありがとう」みたいなさぁ。労ってくれるような言葉が欲しかっただけ…なんだけど労ってもらえるような言葉を引き出す言葉や態度じゃなかった私も悪い。だけど「私の時には◯◯だったのに」という恨みは消えない。
私はしんどかったんだぞと言う言葉をぶつけることで相手から謝罪や反省を引き出そうとした自分がマズかった。
そして相手に私の思う方向に変わってもらおうとしたのは良くない。自分がキラキラした人間に全く変わらないように相手だって変わらない。お互い生きてきた家庭や場所や状況全部違うんだから理想の押し付けはやめよう。
色々言うだけ状況は悪くなる。言えば言うほど芋づる式に怒りが湧いて言わなくても良い言葉をぶつけまくって、そのうち言ってることの辻褄が合わなくなってくる。
相手に変化を期待?やめようやめよう。
そう思って、使いっ走りで駆け込んだ薬局で「気になってたけど在庫無くて買えなかったKATEのリップモンスター」を一本買った。なんといろんな色の在庫があって選び放題だったので「ラスボス」を買ってやった。マジありがとうスーパードラッグひまわ◯さん!
(ザクザク見た時は一色しかなかった)
なんかめんどくさいこと全部どうでも良くなってリップモンスターとおつかいの品を握りしめて帰宅。おつかいの品を届けて速攻リップモンスター開封して塗った。なにこの発色めちゃめちゃ綺麗で看病疲れの顔に花が咲いたような感覚。しかも全然落ちない。カップとかにもつかない。最高すぎないかコレ。
家族の回復後には、感謝とか謝罪の言葉よりもリップモンスターの他の色を要求しよう。
多分相手にも「感謝」「謝罪」とかよりわかりやすいし私もウキウキしちゃうし。ゲヘヘヘ、こりゃあ気合い入れて看病しなきゃならねぇなあ!(リップモンスターが売り切れる前に)
あらやだいつのまにか6,000文字こえてる…。
ここまで読んでくれた方がもしもいるならお読みくださりありがとうございます♪
コロナは大変に恐ろしいものでございますし、これからどんどん寒くなりますのでどうかお体にお気をつけてくださいませ。