今日はちょっとだけ気温が暖かかったので調子に乗って窓を掃除した。
濡れた雑巾と乾いた雑巾を用意して、自分の頭の中にある手法で掃除した。
まず、濡れた雑巾で窓の汚れを落とす。あっという間にホコリなどで黒ずんでいく雑巾。
そして一通り濡れた雑巾で汚れを落とした窓を、乾いた雑巾で拭き上げていく。
途中で汚れた雑巾を洗って絞りながら、家についている窓の外側を片っ端から拭き上げて、乾いた雑巾で仕上げをしていく。
窓の外側が終わったら今度は家の中から窓の内側を掃除していく。
どちらかというと内側の方が汚くて、油汚れみたいなものやカビなのかコケなのか良く分からない何かがびっしりと付いていたりしたので容赦なくゴシゴシと落としていった。
一通り終わった窓掃除。
一息つきながら最初に掃除した窓を見ると、ものの見事に拭き跡が白く残っていた。
「えええええーーーー!掃除する前より汚くなってるじゃん!!!」
窓掃除第一弾ですでに疲れ切っていた私。
もうこれ以上掃除したくない。
でもこんな汚い窓を家族が見たら…怒られないにしてもビックリはされてしまうだろう。だって透明だった窓が、帰宅したら真っ白になっているんだもの。
「…くっそー、さすがにこれはまずいな。」
疲れた体を奮い立たせて、まずはどうするべきなのか考える。
窓をキレイに掃除する方法をネット検索する?
…いや、そんなもんに頼るよりも雑巾をキレイにしてもう一回拭いた方が早いしキレイになるわ!!
「ぬおおおおおおおああああああありゃあああああああ!!!」
最初に拭いた窓から順にもう一度拭いて回る。
汚れは第一弾の掃除で落としてあるので、拭き跡が残らないよう乾拭き多めでフルパワーで拭き倒していく。
窓の外側が終わったら今度は内側。
めんどくさくて早く終わらせたい気持ちと、2週目の窓掃除に飽きた気持ちと、汚い窓を家族に見せるわけにはいかない気持ちとがせめぎあい、若干雑になったが何とか拭き上げが終わった。
「…あー、疲れた。」
そう思いながら最初に拭いた窓をふと見るとキレイに白く濁った窓が光に照らされていた。ビニールハウスのような透明度だ。
「…嘘ぉ。」
もう怒る元気もないし八つ当たりする体力もない。
フラフラと部屋に戻って、頼りたくなかった「スマートフォン」を手に取った。
「私のやり方でいけるはずだったのに…。」
敗北感とささやかなプライドを砕かれた気分で心がいっぱいになりつつも、私が知りたい情報のキーワードを入力して検索した。
「ホームセンターで専用の液剤があるんなら買いに行くし、ふき取り用の布があるんならそれだった喜んで購入するわ…疲れて運転なんてしたくないけど。」
「買い物が必要」とか面倒な事言われなきゃいいけどな…と思いつつ検索していると…
「窓掃除は拭き跡が残りやすいです。新聞紙が良いですよ。」
という内容が記載されていた。
「…しんぶん…し????」
一瞬ふざけているのかと思った。
こっちは深刻な「窓ガラスの拭き跡残り」に悩んでいるというのにそんな手軽な物でキレイにできるなら今までの私の苦労が完全に無駄に終わるじゃないか。
自分の行動が無駄だったとは思いたくない。
でも同じ手法で3週目の拭き掃除をして窓がキレイになるとは到底思えない。
「…もしキレイにならなかったらこの情報書いた人を恨んでやる!!」
半ばイライラしながら新聞紙を取り出して、軽くクシャクシャと丸めて柔らかくしてから窓を拭いてみた。
白く残った拭き跡が、めっちゃくちゃきれいに取れていった。
「…嘘ぉ!!!!!」
目の錯覚か見間違いかと思って何回も見直したけどそこにあるのはキレイで透明な窓。
この「新聞紙情報」を公開してくれていた人は神様かと思った。
疲れてイラついていた気持ちはどこかに吹っ飛んでいき、夢中になって新聞紙での窓ガラス拭き上げを行い、窓掃除を終わらせることができた。
最初に掃除した窓を見ても透明でキラッと輝いている。
家中の窓がキレイでピカピカになって気持ちがいい。
そんな窓を見ながら、自分のやり方に固執して他の人の意見や手法を取り入れようとしなかった自分を恥じた。
ネット相手だけでなく、家族や夫相手にもワンマンな行動や考え方をとってしまうことがあった。(一見従っていても内心自分の手法に固執していたりする。)
もしかしたらこういう行動もリア充から遠ざかってしまう一因なのかもしれない…もうすこし素直に、聞く耳を持つようにしていかなければ…!
しかし、窓を掃除したら心までキレイになった気がする。
さあ、この清らかな心で次はどこを掃除しようかな。