毎日毎日手のかかる作業があった。
なんとなく私が担当する流れになって、めんどくさいけど私がやらないと誰がやるんだ的な雰囲気もあった。
特に積極的に担当したかったわけでもなく、できれば誰か違う人がやってくれたらいいなぁという気持ちしかなかった。
しかし周りの人が誰も「私がやります」とは言わない。
だれに任命されたわけでもなく、なんとなく私がその作業に手をつけた。
周りの人はそれとなく進捗を確認してきては、私が担当している内容がぼちぼち進んでいく様子に勝手に納得して「うんうん、良いように進んでるね」とご満悦し、さっさと自分の作業に戻って行く。
私は「なんでほぼ助けてくれるわけでもないくせに、進捗だけ確認して都合のいいとこだけ手や口を出して。めんどくさいことをなすられたりする前に忙しいふりをしてさっさと逃げて行くんだろう」と思いつつ、都合よく進捗を確認しにくるだけの連中を心の中で腹立たしく思っていた。
気づけばそういう人たちに何か言われても秒速でイラッときて全部がムカついて刺々しく返答している自分がいた。
挨拶をされるだけでイライラした。
そこには以前のような笑顔はないし、口先だけで「アリガトウゴザイマス」とあしらっていた。
とりあえず礼だけ言っときゃなんとかなるだろという口先だけの感謝。そこに心はない。
私がやらなきゃ
ちゃんとやらなきゃ！
なんで私ばっかり？
アイツらなんなの？
クソッ、どいつもこいつも…。
胃の調子が良くなってきて落ち着いてふりかえってみるとギスギス具合が尋常ではなかった。
やらなきゃいけない内容よりも「あの人がまた邪魔な動きしてる」「この人が本当にうっとおしい」とかそんなことばかりを一生懸命見ていたし、やらなきゃいけない内容も「効率よく！さっさと終わらせようめんどくせぇ」という気持ちしかなかったので、自分の思い通りにサクサクと事が進まないとものすごくイライラしたし物を投げたり八つ当たりをしたりもした。
誰かのご機嫌な鼻歌も「1人でうるっせえんだよクソバカ、黙れボケ！」とか本気で思っていて、人間性が最悪だなと思いながらも自分で自分の怒りを止められなかった。
全ては「手のかかる作業」が悪いんだ！と作業全てを悪く思いながら作業をするもんだから、良いはずの内容も全部悪い方に捉えてしまって、さらにその悪い状態をなんとかしなきゃとムカムカしながら対策を練った。
そうしてなんかよく分からないけど頭と心が忙しくてなんだか疲れているまま作業をこなし続ける。
私がなんとかしなきゃいけないと無駄に燃える責任感と出来ればもうやりたくないと思う怠惰な気持ち。
全部出来る限りこなそうと思うことに疲れて、ふと最大限の用意だけしてあとは放ったらかし。
私だけふらりと休憩に出てみた。
作業が待ってるから早く帰らなきゃといつもアタフタしていたけど今回はそんな気持ちも湧かなくて気楽にフラフラ。
「そろそろ戻るかー！」という気持ちが自然に湧いてきたので戻ったら、作業は勝手に進んでいて
「えっ！！？」
と、一瞬ショックを受けた。
私がいなくても、きちんと全部やろうとあくせくしなくても勝手に良い方向に進むんだ…。
今までの苦労は何だったの？と拍子抜けするし、私なんていらないじゃんと寂しくもあった。
だけど何より「私がやらなきゃいけないなんて1人で背負いこむ必要なんか無かったんだな。」とホッとした。
私もほどほどに気楽にやっていいんだ…。
…あぁそういえば忘れるところだった。
買い置きしてたローソンのスイーツ食べなきゃ！
ローソンにふらりと寄ったら バスチー などの横にドドーンと置いてあった新商品らしきスイーツ 「チーズシュー」。
「スイーツで気持ちをごまかさないとやってらんねぇ！」と思いながら購入しておいたものだが、今なら穏やかな気持ちで頂けそう。
というわけで早速半分に切ってみる。
ほんのりといい香りのチーズシューは割としっかり硬めのシュー生地らしくものすごく綺麗に二等分できた。
写真がないけど今日のスイーツのお供は「ルピシア の デカフェ アールグレイ」。
アールグレイの風味でチーズの味がわからなくなるかなと思いつつも最近カフェイン摂取量がものすごく多くなってしまっているので唯一の手持ちデカフェであるこちらを選んでみた。
結果、チーズシューの風味は消えることなくお互いの味がどちらもしっかり楽しめて「これがマリアージュとかいうやつか？」と思った。
チーズシューの表面はしっとりとした薄いメロンパンの表面のような感じで、中のクリームはレアチーズケーキのようにサッパリとした味わい。
オレンジ色に輝くアプリコットソースはグミとジャムの間かな？と思うくらいほどほどにしっかりとした質感をしており味も甘酸っぱくてチーズ風味とよく合う。
ちなみにこちらがパッケージの裏面。
カロリーや素材など細かなことが書いてある。
シューをかじって一息つく。
鼻に抜ける2種類の風味。
「うわーーーーーー至福！」
こうしてチーズシューを食べ尽くしアールグレイティーを飲み干した私はご機嫌。
これでしばらくは良い気分で過ごすことができそうです。
