ねぇ、リアルってどうやって充実させるの?

リア充になる方法を模索する人間(女)のブログ(雑談大量!)

本気で化粧品を買いに行く話①

これは私の誕生日の前日の話。
私は「自分がホクホクした気持ちで使える化粧品」を探し求めて車を運転していた。
 
過去のブログにも書いたのだが、私はとにかく夫の為にお金を使って(いた『つもり』だったかもしれないけど。)自分の為に使うお金が『夫のせいで』無いんだと思い込んで安い服やポイントで手に入れた化粧品を不満タラタラで使っていた。
 
もう『夫のせい』にして、責任や恨みなどの負の感情をベッチョリと夫になすりつけながら生きていきたくは無い。
 
そんな負の感情を遥か彼方に吹っ飛ばす為にも「自分がめっちゃテンションが上がって使うたびに嬉しくなるような化粧品」を探しに街へ繰り出した。
 
本当の本当に自分のためだけの買い物。
「帰りに日用品を買って、食材も買って…」などの雑念は一切入らない。
 
ネットで「このコスメがいい」「あのコスメは駄目」などの前情報も一切仕入れず、頭の中にあるコスメ情報も思い出さないようにひたすら封印した。
 
細かいことは「自分の気分や感覚」と「運」に任せる。
 
本気で自分だけの為にお金と時間を使う一日だ。
そう自覚した瞬間に怖くなった。
 
「こんなことに時間使っていいのか?」
「自分の為だけにお金をつぎ込むのはすごく悪いことなのでは。」
「現在使ってる化粧品だってまだまだ使えるのに、物を大切にしないのは罪悪では?」
「ただの田舎女の分際で良い化粧品を揃えようとするなんて贅沢であり無駄じゃないのか。」
「贅沢はしてはいけないものである。」
「良い物を買った所で、私の考え方や夫への責任転嫁とか結局変わらないんじゃないの?」
「コスメをちゃちゃっと買えば足りない食材や日用品も買い足せる。」
「そこそこの品質と価格で満足した方が夫への印象はいいかも…。」
「そもそも店員さんが忙しくてアドバイスもらえないかもよ?」
「アドバイスもらえてもめっちゃ高いの勧められたらどうする?」
 
ゴチャゴチャゴチャゴチャ次から次へと湧いてくる感情。
いつもこうだ。何か「今までにない」事をしようとすれば悪い考えや否定の考えがブワッととめどなく湧いてきて、そのまま怖くなり、動けなくなって元の場所まで戻されてしまう。
 
「良い化粧品を買いたい!」と意気込んで出てきたはずなのに、もうすでに「その辺のドラッグストアでそこそこの化粧品買って帰ろうかな、ポイントもあったし」という所まで押し戻されている。
 
「…そうか。この私を元の位置に押し戻してくる負の感情をぶった斬らなきゃ何も変わらないんだ!」
 
きっと、負の感情に押し戻されて適当なドラッグストアでそこそこの化粧品を買って満足したフリをしても、またそのうち夫に「私は我慢してる!」と詰め寄るだろう。
 
買い物しただけでは私の性質は変わらないかもしれないし、今度は「違う事」を盾にして夫に詰め寄るかもしれないけど、そしたらその時はその「違う事」を解消できるように動こう。
 
今は「夫の金銭感覚や買い物」に対する不満が大きいからそれを解消するつもりで動く。
 
慣れてて余裕がある場所に行くとまたゴチャゴチャ考えると思うから…私が一番「ここは怖い。まだまだ年齢と経験と貯金を積んで良いマダムになったら行く場所だな。」と思っている最強の場所を選んだ。
 
広島県福山市福山駅近くにある天満屋というデパートの一階である。
 
同じ天満屋でもその近くのイトーヨーカドーに隣接している天満屋には割とよく行くし食材も買う。
他にも天満屋はいろんな所で見るけれどどこもフレンドリーで入りやすいのである。
 
しかしこの駅前の天満屋一階は一味違ったオーラをまとい「一見さんお断り」にも近い気高さと平民には厳しい雰囲気がある。
 
ブランド物や一流らしきメーカーのマークを掲げた化粧品売り場が軒を連ね、カウンター内にはバッチリと美しくメイクを施した店員さんが立っている。
 
お店の開店と同時にお店に入ろうものなら、立っている店員さんが片っ端から尋常じゃないほど丁寧に頭を下げて挨拶をしてくれてどこを歩いても逃げ場がないくらいに丁寧な挨拶に全身が包囲される。
 
社会人になってデパ地下の存在を知り、この天満屋に訪れて開店と同時に一階から入店してしまったことがあるのだが、今以上に男のような性格で照れ屋・人見知りなども酷かった私にはこの超丁寧さが地獄のように思えた。
 
「やめてくれ!私はそんなにうやうやしく頭を下げてもらえるような高貴な身分なんかじゃないんだ!
うわっ!また店員さんがいるから違う通り道を…うおおっ!こっちにもいる!…誰か…誰か助けてくれええぇー!!」
 
誰とも会わずに済むならエスカレーターでも階段でもいい!とにかく小走りで店員さんと目を合わせないように床だけを見て地下に向かい、まわりをマダムに囲まれながらテンパったまま買い物をした挙句によくわからないパン一つを握りしめて逃げるように家に帰ったあの時の私。
 
…とにかく私にとって福山駅前の天満屋は人生にこなれて余裕のあるマダムが行く所なのである。
 
そんな恐ろしき天満屋に…それも化粧品売り場であるあの一階フロアに…向かう…。
 
決めた瞬間からゴチャゴチャした考えや余裕はフッ飛んで、ただただ「追い返されたらどうしよう」と心配しながらお店に向かいました。