真っ暗な部屋で目を閉じて寝ているはずなのに、なんだか眩しい…?
妙な眩しさを感じて目を開けると、布団の中に横たわる私の頭上で青色のLEDを煌々と光り輝かせているノートパソコンがいました。
どうやら、昨夜ノートパソコンを使用後に電源を切ったつもりになっていたけど何かのプログラムが引っかかって途中で止まったままになり、スタンバイになっていたらしい。
ノートパソコンから放たれるLEDの青い光はとても力強く、目が慣れれば着替えくらいは出来そうなくらいの明るさ。
「動作していることが分かるのはいいことだけど、結構うっとおしい明るさだな…。」
そう思いながらノートパソコンを眺めていると、急に緑色のLEDが激しくフラッシュし始めました。
「えっ!?何!?何が光ってるの!!?」
パソコンの光なんて比較にならないくらいに明るくて激しいフラッシュ。
こんなに激しく緑色にフラッシュする物体の心当たりが無くて、ノートパソコンから放たれる光を頼りに部屋を移動して、緑にフラッシュするものを手探りで探す。
「…貴様か。」
激しい緑のフラッシュの原因は、家族のアップルウォッチ(偽物)。
家族がいつのまにやら購入し、怪しげな日本語の説明書とともに宅配されてきたこの時計は詳細がいまいちわからない謎の時計。
時折緑色に激しくフラッシュするのは見たことあったけど、暗闇でフラッシュしたらこれほどウザ明るいとは…なんと恐ろしい時計だ。
しかも時計が置いてあった場所が透明なガラステーブルの上だったから、光がガラステーブルを貫通して床を照らし・さらにその床に放たれた光が部屋の天井へ向かって反射して…もう部屋全体が緑色のフラッシュに染まってる状態。
「…ふっざけんなよ何時だと思ってんだオラァ!!朝っぱらからクソ眩しい!!ダンスホールじゃねーんだぞ!!」
イライラしながら時計のフラッシュをどうにかしようと思って時計を裏返したら今度は天井に向かって激しくフラッシュ!!ピカピカと緑にフラッシュする天井!!
「…もー!!!!!なんなんコレ!こんなわけわからん時計買うなや!普通にジーショックとかつけときゃいいじゃんハイテク過ぎて逆にうっとおしい!!!」
どうしたらフラッシュが止まるのか全然分からなかったのでとりあえず時計の光っている面を布の上に置いて光の貫通・反射・拡散を防ぐ。
まだ時計は光っているけれど、緑のフラッシュは布で遮られてだいぶんマシになった。
「…くっそー、絶対まともな時計をプレゼントしてこのウザ時計だけは捨てさせてやる…!」
イライラを落ち着かせながら家の中をまじまじと見渡すと、蛍光灯のスイッチボタンから無線LANの機械、ブルーレイディスクプレーヤーまで色んなものが光ってる。
「こうしてみると、結構いろんなものが光ってるんだなあ…。」
そう思っていると突如ブルーレイディスクプレーヤーが「フォオオオオオオー!」と音を立てながら光り出して、何かの録音を始めたらしいがその光がまたうっとおしいほどあかるいし動作音もうるさい。PS4並みにうるさい。
こんな時間に何を録画してんだよマジで。
「もう、いい加減にしてくれ…。」
面倒くさくなって私は布団のもとに戻りもぐりこんだ。
近いうちに百円均一に行ってシールを調達して、うざい光の発生源に片っ端から張り付けてやろうと思っている。