朝、車で出かけた。
ちょっとした消耗品を買いに行くだけの簡単買い出し。
町に人が多くなる前に買い出しを済ませたいので、朝早くに車を走らせてスーパーに向かう。
夏休み中の部活だろうか、自転車をこいで学校に向かっているのであろう制服を着た学生さんたちが道路を駆け抜けていく。
ふと気が付くと、私の進行方向と同じ方向に同じくらいの速度で自転車を走らせる学生さんと並走することになってた。
この先は交差点。
私は左折したい。
学生さんは…私の左折とほぼ同時くらいにまっすぐ横断歩道を渡る直進コースだろうか。それとも違う方向に走っていくのか。
もしも私の進行方向と被る横断歩道を渡るとしたら、学生さんが横断歩道を渡った後で私が左折する必要がある。
ついに交差点に差し掛かる。
横断歩道の手前で止まって、学生さんが渡ってきそうな方向を見る。
角度が悪いのかなんなのか、誰も見えない。
えっ!?いない!!?
見えていないだけか?
どうしよう、進もうか?
でももし見えてなかった学生さんが突然現れてぶつかったら?
一瞬のうちに考えすぎて頭がいっぱいになる。
しかし対向車線にも私と同じ方向に曲がる車が待っている。長い事止まっているわけにはいかない。
とりあえず冷や冷やしながらもジワリと進んで横断歩道を通り抜け、そのまま目的地に向かって走っていく。
誰かが急ブレーキをかけたような音も、ぶつかってきたような気配も無い。
そして私が横断歩道を通り切った真後ろを対向車が曲がってついてくる。
私の直後に横断歩道を通り抜けてくるということは、特に横断した人はいなかったという事だろうか。
…しかし。
もしも私がじわりじわりと車を進めている横で、学生さんがビックリして自転車を止めていたとしたら?
もしも横断歩道を渡ろうとしている人が居るのに私が気づかずに車で通り抜けていたのだとしたら?
もしも真後ろをついてきた車が、見えない学生さんをひこうとした私をドラレコで撮影するために追いかけてきたんだとしたら?
もう気が気では無くなってきて最寄りのスーパーに駆け込んだ。
すると後ろをついてきた車も同じようにこちらに入ってきた。
「ヒイイイ!同じところについてきた!!!」
焦る私。たっぷり空きがあるはずの駐車場内で何故か同じ方向に走ってくる後ろの車。
誰かを引いたわけでも無い(と思う。)けれど、すごく後ろめたい気持ちになり、覚悟を決めて駐車した。
後ろの車はそのまままっすぐ通り抜けて店の奥に入っていった。
私に用なんて微塵も無かったらしい。
向こうの車からしたら「誰もいない横断歩道で停まって何やってんだコイツ早く行ってくれよ」という気分だったのかもしれない。
私は少しホッとしながらも良く分からない罪悪感でいっぱいになった。
そしてゲッソリするほど大暴走した被害妄想でドッと疲れた。
なんとか買い物は済ませたけれど、先ほどの一件が頭から離れなくて仕方ない。
もしも、私が学生さんを車でひっかけそうになっていたとしたら?
もしも、学生さんがビックリして止まった際に自転車で滑って怪我してたら?
もしも、何事も無いわけでは無かったとしたら?
もしも、さっきの学生さんがお巡りさんに通報したとしたら…?
あああああ!ってなって不安が大爆発したし一気に怖くなった。
わざわざさっき来た道を通って現場の前を通ってみた。
誰もいない。
でもすごく動揺している。
この精神状態のまま、極狭帰宅ルートを走り切れる自信なんて無い。
よし一回落ち着こう。
とりあえずコンビニに寄った。
飲み物を手にして飲んで落ち着いた。
ありがとうファミマ。たすかったよファミマ。
落ち着いたところでふと気が付いた。
もしも学生さんが警察に通報していたとしたら?
スーパーとコンビニでわりと時間が経過しているし、現場検証とかしてたりお巡りさんが居たりするのでは…?
私は無罪じゃなかったとしたら?早めに自首するしかないだろう。
犯人は現場に戻るっていうのはマジだなと思った。そして現場に戻る犯人の精神状態が少しわかった気がした。
ごめんね夫…義理の家族たち。私は…私は…悪い事をしてしまったのかもしれない!!!
今日2回目の現場確認。
警察どころか学生さんも。
人っ子一人いなかった。
どうやら私が1人、妄想を爆発させて苦しんでいただけらしい。
なんかもう物凄く疲れた。
そういえばついこの前も、雨の日に車で外出して横断歩道で待っている歩行者の人に「もしかしたら水ハネを食らわせてしまったかもしれない」「歩行者の人に水をかけるような車の走らせ方をしたら違反じゃなかったっけ」「もしも歩行者の人が通報してたら?」「お巡りさんが家まで来たら?」…ってさんざんやって結局何も起こらなくてただただゲッソリと疲れたばかりだったし、その日1日がもうガッタガタに崩れまくりだった。
物事を悪い方にばかり考えるどころか、そこからどんどん更に悪い方へ・もっと悪い方へ…と発展させていって1人で不安になり続ける癖を、どうにもならないけれど少しでも良くしたい。もうちょっと落ち着いて気を楽にして生きていきたいと思う今日この頃です。