ねぇ、リアルってどうやって充実させるの?

リア充になる方法を模索する人間(女)のブログ(雑談大量!)

明るい洗脳① -「いい人」は根こそぎいろんなものを持っていかれる-

お盆シーズンが到来して、私は悩んでいた。

 

「実家に帰って墓参りするべきなのかしないべきなのか。」

 

紆余曲折あって大暴れした挙句に実家を飛び出した私は今現在やっと心穏やかに自分のペースで暮らせる場所を手に入れた。

 

実家にいたころは親や祖父母に雑用をしょっちゅう頼まれたりお金が無いという話を聞かされたり家族・親族・近所などの陰口・愚痴・悪口から「○○さんはいい歳して未婚なんだって(笑)」みたいな死ぬほどどうでもいいディスりみたいな話を大量に聞かされていた。

 

家族が行きたい場所があればどこへだって道を調べて車を運転して連れて行ったし、お金に困っていると聞かされたら、親が気を使わないようにさりげなさを演出しながらお金を渡してみたりもした。

 

母から「兄弟夫婦、共働きだけど支払いが多すぎてフェスに行く予定だったのにお金が全く無くて行けなくて嫁さんの方が本当に悲しんで泣いているみたい…かわいそうよね」と聞かされれば即必要金額を聞いて私の財布からフェス代金数万円を立て替えて支払ったりもした。

 

(ちなみに後日兄弟から小さい缶に入ったクッキーを渡されへらへらしながら「ありがとッ」て一言だけ言われた。そしてみんなにお土産を配る彼らを見て「えっ…お土産や自分用のアーティストグッズ買うお金はあったの!?と驚きつつも「そんなことを思う自分は心が狭いんだ…と心の中で自分を何度も罰した。そしてフェスの代金は「家族だし金額も大きいし、何も言わなくても気を使って返してくれるだろう。」と思い特に「返して」ともいわずに支払った。そしてこちらから返金の催促を一切しなかった。結果一銭も帰ってこなかった。)

 

誰かの陰口みたいなのを聞かされて心の底では「誰だその人興味ねーわ…誰か分からんし仮に知ってたとしてもその人のことごちゃごちゃ言う暇あったら菓子でも食ってドラマの再放送見てる方がマシだわ」とか思いつつも「そうなんだー!その人ひどすぎ!!聞いていてムカつくわー!!」と話を合わせて一緒に陰口で盛り上がったりした。

 

他にもいろいろ思い出せばきりがないくらい(簡単に引き出せない銀行にお金を預けているからお金はちゃんとあるのに引き出せないから支払いができないとか、怖い人と車のトラブルになったけど警察には言うなと言われ数万円要求されているからお金を貸してほしいとか)主にお金のことでトラブルが多かった。

 

不思議なことに「家族が困っている」=「私が何とかしてあげなきゃ」の方程式が脊髄反射で発動し、何かあるたびに私はアルソック並みに速攻で駆けつけてお金・技術・夫の技術力などを駆使して家族を助けた。必要な道具などがあれば自腹で買いそろえて駆けつけた。

 

呼び出される頻度はほぼ毎日に近くて時々疲れることがあったけど、問題が解決すると家族はいつも満面の笑みで「ありがとう!!やっぱりマナちゃんは頼りになるわー!!」とか「持つべきものは娘よー!ほんと親を助けてくれる」と超絶感謝&ほめちぎりをしてくれる。

 

私は「家族を助けることができた達成感」と「褒めてもらえる嬉しさ」と「兄弟なんてお金関係で親に迷惑かけっぱなしなのに私はちゃんと自分たちのお金で生活しているし一切迷惑かけてないしそれどころか親の役に立ちまくっているという自画自賛」が入り混じって不思議な高揚感に包まれていた。

 

そしてそんな生活が続いてある日夫に「お前の親は変」と言われて本気で夫と大喧嘩をした。

 

私にとって、親の言うことは絶対だし彼らの指示に間違いはないと思っていた。

兄弟は本当に憎めなくていい奴だと思っていた。

祖父母は「なんでも言ってこい、解決してやる。」とどんと構えていて憧れだった。

いつもニコニコしていて人当りも良くてノリも良い。自慢の家族だった。

「ありがとう」「感謝」「ポジティブ」を欠かさなかった。

子供が親を助けるのは当たり前のことだし、何があろうと親を困らせちゃいけないと思っていた。

両親のような仲の良い夫婦はきっとそんなにたくさんいないだろうし、私もそんな風になりたいと思っていた。

みんな明るく「なんとかなる!ガンガン行こうぜ!!」というノリなのに家族で私だけ「万が一にそなえて策を練りつつ命をだいじに」というノリなので、自分はネガティブでおかしいしネガティブというのは良くない事。みんなみたいにガンガン行かなきゃと思っていた。

 

そんな家族の事を悪く言う夫なんて許さない!!離婚してやる!!と本当に思った。

 

暗い気持ちを引きずりながら夫との険悪な日常を過ごしていたある日、祖父が私たちの住む家にやってきて青虫だらけで穴だらけの小松菜をくれた。

一瞬「虫とフンがめちゃめちゃくっついてる!!ていうか食べるところ無いぞコレ」と内心ビックリしつつも、いつもの通り明るくお礼を言って感謝を伝える私。

 

「おじいちゃんの機嫌を損ねるようなことはしてはいけない。」

「どれだけ形が悪くても虫だらけでも、食べ物はありがたいものであり感謝して受け取るもの」

 

という祖母からの教えを忠実に守る私。

そして祖父をお見送りしようとする私に祖父が不機嫌そうに言う。

 

「その花のガラを取れ。」

 

一瞬「え!?」と思ったが、私が玄関で育てている花が咲き終わって少し枯れかかっている部分があったので、その枯れかかった部分を切りなさいという意味だと理解できた。

 

しかし茎が太めの花で手でちぎるのは無理。はさみが必要だが手元にはないので「後で切っておくよ」と伝えて祖父を見送ろうとした。

 

すると祖父はさらに不機嫌になり「今すぐ切れ!!」と言ってきた。

私が花ガラを摘むのを見届けるまでは帰らない模様。

 

小さなころからお菓子とかお小遣いとかいろいろ与えてくれて、私をいろんなところに連れて行ってくれて、本当に自由にさせてくれて大好きだった祖父。

 

 祖母からは「おじいさんが カラスは白! と言ったら全員従うものよ」とか聞かされていて「そういう家柄なんだな」と良く分からないながらも納得していた。

 

時々祖父の頑固な一面が見えたりもしたけど私には優しくて一度もきつい事言われたこと無かったのに…花一つでこんなに言われるなんて…。

 

ビックリ&しょんぼりしつつはさみを慌てて持ってきて祖父の前で花ガラを摘み、祖父のご機嫌を回復することに成功した私。

 

そして祖父を無事に見送った私の心の中にはモクモクと色んな感情があふれてきたのだった。