ねぇ、リアルってどうやって充実させるの?

リア充になる方法を模索する人間(女)のブログ(雑談大量!)

本気で化粧品を買いに行く話②

コインパーキングに車を置いて天満屋まで歩く。
怖い気持ちと帰りたい気持ち・やらなきゃならない闘志が混ざって「これが戦場に向かう気持ちなのかな」と思いました…戦場に向かったことはないけれど。
 
天満屋に到着して一階フロアに入店。
挙動不審にならないよう、いかにも余裕がある人を装って店内を眺めて回る。
 
化粧品売り場を見るとたくさんのブランドロゴが並んでいて「うわー」と思ってたら、ふとシャネルのマークが目に入り「あ、もうダメだ」と思いました。
 
私のような田舎女のくる所じゃなかった。
ブランドとかそれなりにわかってて欲しいものがある人がくる所だったのでは?
ブランドロゴいっぱいあるけどシャネルしか見たことない。

なんもわからん。
 
結局どこに行っても浮かび上がってくる雑念。
余裕はないのか脈が早くなり汗っぽくなりどうしたらいいのか考えられなくなっている私の頭と体。
 
しかし「帰ろう(逃げよう)」とはしていない私の体。
 
ここまできたら歩くだけフロアを練り歩こう!
どのメーカーの化粧品がいいのかは全くわからんけど多分どれを買っても後悔はない。
もしも話しかけてくれる店員さんがいたらゴチャゴチャ考えずにその人に全部ゆだねよう!
 
そこから私はひたすら「余裕をにじませながら歩くマシーン」と化した。
獰猛な魔物たちに取り囲まれている「ぬののふく」のみ装備した勇者のような気分だけれど、ただただ色んなお店を眺めながら歩く。練り歩く。
 
練り歩いていると、金色に輝くコンパクトが視界に入った。
ピンクやブラウンの塊が詰められているところを見るとおそらくアイシャドウではないか?
 
じっとコンパクトを見つめてアイシャドウであるか否かを考察していると、間髪入れずに店員さんが現れた。
 
反射的に逃げそうになった。
 
「ヤベェ!店員さん来た!!」と思いつつも出来る限り気持ちを落ち着かせて「このアイシャドウ綺麗だなーと思って」みたいなことを言ってみる。
 
店員さんがアイシャドウについてにこやかに教えてくれ始めたんだけど、私の頭の中はどうやって逃げようかということで一杯になっている。
 
「店員さんが来た=ヤベェ逃げなきゃ!」体が勝手に動く。これが脊髄反射というやつだろうか。
 
…いや、待てよ。
めっちゃ丁度いいじゃん。話しかけてくれた店員さんに任せるつもりだったんだから。

しかもにこやかで美人な店員さんだし、追い返したりはしてこないはずだ。

恐る恐る店員さんに化粧品を揃えたいとの意思を示した。
そしてカバンの中にある「現在使っている化粧品」を見せると店員さんは「まだあるのにもったいないけどいいの?」ということを優しく伝えてくれた。

私が恐れていた「オラ!コレ買えよ!コレもコレも買え!イイ物だぞコラァ!高えけどな、ヘヘッ」みたいなゴリ押し感は微塵もない。むしろ「まだあるのにいいの?」「残りがあるものは今のを使って、無い物から段々と買い揃えて行っては?」とこちらの状態や懐具合を心配してくれる。

そうか、これは店員さんの皮を被った天使か。

私は天使に全てを委ねることにした。
アイシャドウ選ぶときに「好きな色は?」とか好みを聞かれるけど好きな色とか正直無いし似合う色を見繕ってくれた方が助かるので「似合うと思う方でお願いします。」と答えた。

終始丁寧でにこやかな対応。
初めて受ける肌の水分量チェック。
自分で選んで失敗することが多いファンデーションも、ちゃんと肌色に合った物を選んで来てもらえる。
目の色を見て「マスカラはブラウンの方が良いですよ」とか、今までに受けたことのないアドバイスがもらえる喜び。
こんな私なのに時折褒めてもらえる。
的確なメイク技術と、それを余すところなく教えてくれるサービス精神。

 ああ…もう私この天使を信じるぅぅぅー!!!!!
 
…ちょろい客だと思わないで頂きたい。
知っての通り私の警戒心は尋常じゃない。
ちょっとでも不審なところなど感じれば、メタルスライムよりも素早く逃げ出す人間だ。

そんな私が不審も抱かず信じれるんだからこの店員さんは本当に天使かもしれない。

肌の水分量をチェックし、基礎化粧品で肌を整えてメイクを施しアドバイスももらう。
割と長時間居たのだが、そんな時間も気にならないくらい楽しいひと時を過ごすことができた。

選んでもらった化粧品はグロス以外全部購入した。
何故グロスを除外したのかは自分でも分からなかったので次回改めて買うことを決意した。

今回はメイク用の化粧品のみ購入したが、「水分量はいいけど肌がザラザラしてるところがある」と天使に言われ「…た、確かに。」と思ったので、今後化粧水などの基礎化粧品も購入しようと思う。

入店時はあんなに恐ろしかった福山駅前の天満屋だったが、化粧品を買って帰る頃には「キラキラしてて自分に合っている良い化粧品を手に入れることができた喜び」と「なんとも言えない達成感」で一杯になった。

金額にして五万円ちょっと。
以前の私なら夫にこんな金額を言うなんて恐ろしくてできなかったし、そもそもこんな高級な物を買おうなんて思わなかった。

家に帰って夫に化粧品を見せて金額を言おうとしたら何故か体がこわばって言えなかったんだけど、一旦落ち着いて恐る恐る伝えた。

「あのなぁ、今日誕生日用に化粧品買って来たんよ。んで、かかった金額が…あの…………五万数千円(正式な金額)だったんよ。」

怒られるかと思った。
「そんなん買ってどうするん」とか罵られるかと思った。

でも夫は「そうなん?」ってちょっとビックリした顔したかと思ったらニコニコしながら「ええ化粧品かってきたんじゃなあ。」って言ってくれた。

私は何をそんなに怯えてたんだろうか。
店員さんにも夫にもお金にも怯えてビクビクして。


私だって良い物を買ってもいいんだ。
お買い物に「マダム一級」とか「富豪三級」とかの資格は要らないし壁も無いんだ。
夫に、自分の欲しいものを伝えたりしてもいいし、高いものを買って来ても怒られたりはしないんだ。


「これで許されるんならこれからはどんどん欲しいものを買ってこよう」とかは思わないけど、本当に欲しいものはちゃんと夫に相談してみよう。

さすがにいきなり五万円を家計から出すのは気が引けたので自分の貯金から出したから結局ビビリではあるんだけど、それでも新しい境地に達した気分。

以前は夫が「あれが欲しい」と言った時点で全身の血が煮えたつ感覚でイラッとして「またかよ!ふざけんな!!」と怒りモードに突入してたけど、あの化粧品を手にしてからは「あー、欲しいものを手にしたら嬉しいもんなあ…分かるわぁー。」とか思いながら、楽しく話を聞けるようになったので自分で自分に驚いています。

高い買い物すれば全部が丸く収まるわけでは無いけれど、何か不満があるなら「どうやったらそれがすこしでも解消するかなあ」と考えて、思った事や感じた事をやりたいようにやってみる。

後、「私ばっかり犠牲になってる!」みたいな気持ちがあったら割と赤信号なので、早急に自分を満たしてあげることは大事なのかなあと思いました。

 

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