ねぇ、リアルってどうやって充実させるの?

リア充になる方法を模索する人間(女)のブログ(雑談大量!)

選挙の時に両親や祖父母や親戚に指示された立候補者に投票していた過去の私の話。

東京では都知事選挙があったらしい。

私は地方の田舎に住んでいるので何かをすることも無いのだが、ふと過去の経験を思い出したのでここに書き綴ってみる。

 

私の家庭では小さなころからずっと「曾祖母>祖父母>両親>親戚・兄弟>私」みたいな感じの権力のようなものがあった。

 

もちろん、パッと見はとても仲が良く見えるし明るい人が多い。

しかし権力が上の人間から「こういう風にしろ!」と指示が出れば何故か言うとおりにしないといけない。

従わないと途端に機嫌が悪くなり、怒ったり何もしゃべらなくなったりする。(主に祖父がコレ)

それか、ものすごい言葉の量で「ああだ、こうだ、私はお前の事を思って教えてやっているんだ、言うことを聞けばいいことがあるんだ」などと口八丁手八丁で言いくるめてきたりする。(主に祖母・親戚・父・母・兄弟がコレ)

 

ちなみに曾祖母は私の事を可愛がって見たいテレビを見せてくれるだけでほとんど余計な干渉をしてこないありがたい人だった。

 

そんな家庭環境だったし、私も結局家族の事が好きだったから「みんなの言うとおりに動くのが一番いいしそれが親孝行・祖父母孝行だと本気で思っていた。

 

こうして私もこの家庭の中で暮らし、成長していき大人になって選挙権も得た。

選挙のシーズンには家族宛に「ベリベリッと剥がせるハガキ」が送られてきて、もちろんその中に私の名前の記載された選挙券が入っていた。(切り離して使う)

 

「私も選挙に行くようになったんだなあ。誰に投票しようかなあ。」

 

正直言うと選挙にそんなに興味があるわけでもないし、立候補している人の詳細を誰一人知らないし知り合いでもない。

 

私一人が投票した程度じゃあなにもかわらないだろうなあとは思うけれど、とりあえず投票には行こうって感じで考えていた。

 

私が人生最初に投票に行く日が刻一刻と近づいてくる。

そんなある日祖母が嬉々として私のもとにやってきて言った。

 

「アンタ、〇〇さん(立候補者)に投票しなさいよ!」

 

私は薄々「なんで祖母に指示されないといけないんだろう?」と思ったけれど、話を聞くと祖父母と「なんらかの絡み」のある人らしい。

「お世話になっている」とか「私たちが困ったときには助けになってくれる人なんだ」とかいろいろ言っていたけど話が長すぎて聞き流したので覚えていない。

 

祖母は私ばかりでなく、私の両親にも投票する立候補者を指示した。

私・両親共に了解すると、祖母は上機嫌でドタドタと自宅へ戻っていった。

祖母の帰った後の室内は嵐が去った後の様に静まり返っていた。

 

そして投票日。

父・母・私…全員祖母の言った通りの立候補者に投票をした。

(実際に書いたところを確認したわけではないから確実ではないけれど、皆投票後に誰に投票したのか確認をしたら「祖母の言った人」と言っていた。)

 

3人とも誰も自分の頭で考えて投票をしていない。ただ祖母のいう事を聞いただけ。

そしてその行動を誰も疑問に思っていなかったし、私も「祖母ちょっとうざいな」と思った程度でそこから深く考えることは無かった。

 

そうして20代ずっと、祖母が指示する立候補者に投票し続けてきた。

祖母から誰に投票するべきか指示された母に私も指示をされた年もあれば、こちらから「誰に投票したらいいか?」とお伺いを立てたこともあった。

とにかく毎回、祖母のいう事を聞き続けた。

 

そしてある日。私の実家でトラブルが発生した。いわゆるご近所トラブルという奴だろう。

争いの火種自体は遠い昔に祖父母が焚きつけていたらしく、そのご近所さんの中でずーっとずーっとくすぶっていたらしい。それがあるきっかけで激しく燃えた。

 

祖父母に相談した。祖父母は「戦え」というニュアンスの事を言った。

「何かあれば何とかしてやる」とも。

 

そこから色々あった。トラブルは大きくなった。

我が家とご近所さん、どちらが悪いのか。

 

実際私は「その家の家族の一員である」というだけでほとんどトラブルに関係ない立場。

実際トラブルの渦中にいるご近所さんも時折挨拶を返してくれたり無視してみたり、私に対しては微妙な態度で接してきたので私は無関係みたいな位置づけだったんだろう。

 

しかし私以外の人間の間で燃えるトラブル。

私も大人だったので祖父母に黙って勝手にそれなりに調べた。

その結果、どうやら私の祖父母側が悪そうな感じだった。

 

そこからの経緯は投票の話と関係が無いので端折るが、結果祖母の言う「私たちが困ったときには助けになってくれる人」はこれだけのピンチであるにも関わらず一切登場してこなかった。あれだけ家族全員で投票したというのに。

 

まあ「困ったときに助けてくれるような人」らしいのに過去一度も顔を見たこと無いどころか名前すらも全然聞いたこと無かったから信じているわけでは無かったけれど。

 

それどころか、あれだけ騒動を焚きつけた祖父母はトラブルの広がりが面倒くさくなったのかその話をすると不機嫌になったり「私は知らん。アンタらで解決しな」ってさっさと背を向けてその場からいなくなるようになった。

 

あれだけ「なにかあったら言ってこい」「なんでも解決してやる」「トラブルの相手が頭がおかしいんだから戦え」などと都合の良い事を言い・火種にガソリンをくべるような真似をしておきながら、いざ炎が天高く燃え上がってしまったら自分は大急ぎで安全な場所に避難してしまう。

 

 

…そんなんだったら、最初から普通のおじいちゃんとおばあちゃんでいてくれたらよかったのに。

 

 

自分の息子や嫁・孫に大きな顔で指示を出したり、言う事を聞かせたり。

「祖父の言う事は絶対なんだ」と何度も何度も刷り込んできたり。

何でも助けてやるし、自分たちにはどんな事態でも解決できるんだからいつでも相談して来いなんて、できやしない事を言って虎の皮なんか被らなくていい。

だって、間違っても名家じゃないよ。我が家に「権力」なんてないことも分かってる。

小さなお家にたくさんの人間がぎゅうぎゅうに詰まって暮らしてる、普通の家じゃん。

むしろこんな家に「権力」なんていらないでしょう。

みんなサラリーマンにパート、雇われの身。そして年金もらって節約して暮らしてる。

私はごく普通の一般女性だし父母・親戚祖父母・曾祖母だってそう。

そして「権力のある知り合い」なんて誰一人バックに付いていない。

ごく普通の小さな家。

 

ただの一般的な家庭。

 

普通のおじいちゃんとおばあちゃんとして暮らして、自分の息子やその嫁・孫がどんな選択をしてどういう風に生きようと、選挙で誰に投票しようと本来ならその人の自由であり、祖父母にそれをコントロールする権限なんて無いんだ。

 

 

そんなこんなでゴチャゴチャやりながらも暮らしているある日、またもや投票をする機会が訪れる。

 

もちろん祖母が小走りでやってきて、投票するべき人を支持する。

私を始め、その場にいる家族みんなが「分かった」と了解した。

 

 

そして祖母が帰った後「よし、違う人に投票しよう」となった。

本来なら立候補者のあれやこれやをしっかりと読んだり調べたりしてから投票を行うべきなので、本来行うべき投票と言えるものではないのは重々承知しているのだが「最近は投票に行かない人も多いっていうから行くだけまだマシなはず」と自分に言い聞かせてこの行為を行った。

 

投票所に行き、祖母の言った立候補者と全く違う人の名前を書いた。

誰なのかもわからない。

次からはちゃんと調べて投票するから今回は勘弁してくださいと思いつつ投票を済ませた。

 

投票を済ませて家族と合流した帰り道、皆顔が晴れやかだった。

家族の1人は「一番ワケわからない人」に投票したという。選択の仕方に笑ってしまった。

 

そして家に到着すると、祖母が速攻で現れて「ちゃんと投票したのか」と尋ねてくる。

もちろん、めちゃめちゃ笑顔で「指示通りの人に投票したよ!」と答えた。

祖母はニコニコしている。他の家族もものすごいニッコニコで「指示通りにやったよ!」と答えていた。ダメだ笑ってしまう。

私は肩を震わせながら、さりげなくその場を後にした。

 

 

こうして私達が祖母に対して謀反を起こした投票。

祖母にばれたら確実に文句を言われるはずだが祖母は何日経ってもニッコニコだったので誰が誰に対して投票したのかなんて一切バレないらしい。

 

 

都会はどうなのか知らないけれど、田舎では「親戚が〇〇さんにお世話になっているから」とか「〇〇さんを応援しているご近所さんがいるから」とか、実にしょうもない理由で目上の人間が「誰に投票するべきか」を指示してくる場面が多い模様。

(身の回りでもよく耳にする)

 

自分もその内容をキチンと理解して・指示に賛同してから投票しているのならそれでバッチリなのだが、私みたいに「祖母がそう言うから」とか「言う事聞かないと機嫌が悪くなるから」とか「みんなの言うことを聞くのが孝行だから」とか「自分で誰に投票するのか調べるのめんどくさいしどこ調べていいのかわからないから」とか言って「せっかくの自分の頭を使わずに何となく周りの指示に従う」みたいな人は、選挙以外でも周りの人の意見・行動の犠牲になっている可能性が高いと思うから私みたいにならないうちに気を付けて改善していった方が良いと思う。

 

私は「嘘をつかず・正直に、清く正しく生きていれば絶対幸せになれる」と思っていたけれど、周りの主張が強い人に都合よく扱われて・こいつには何を言ってもいいしなんでもやってくれる・言う事聞いてくれると思われて愚痴を捨てる場所みたいにされて時にはお金やお菓子をとられて私の大切な結婚生活まで他人の雑用まみれにされてきたし、自分でもそう扱われる事を許してきてしまっていた。

 

他人の言う事にどこまで従うか。

自分の生活にどこまで踏み込ませるのか。

きちんと自分の頭で考えて、オカシイと思うものに対しては対処法を考える。

 

目上だから・年上だから・お世話になっているから…

職場など公の場なら仕方がないけれど、自分のプライベートなら自分が好きなようにしたらいい。もっと自由に生きる時間を自分に与えてあげたっていいはず。

 

だって「家族」というだけであれだけさんざん指示を飛ばしまくっていた祖母も、「この家の総理大臣だ」と言わんばかりの祖父も趣味を充実させて好き勝手に生きていて結局楽しそうに生きている。

 

お店の中で子供を好き勝手走らせて周囲に迷惑をかけていると思われる女性も、コンビニで態度悪く買い物してるおじいさんも、お店の資源ごみ回収ボックスに明らかに家庭ごみと思われる物を突っ込んでいるおばあさんも、言い方悪いけれど「のうのうと生きている」のだ。

 

ならばなぜ「周囲の人の言う事をきちんと聞いて」「悪い事をしないで」「つまらないくらい真面目に」「小さな家の小さな部屋でささやかな日々を送っている」自分がこんなに「肩身が狭い生き方」をしているのだ?

 

あんな悪いことをしている人も・周囲を不快にしている人も・迷惑をかけている人も、大手を振って太陽の下を歩いて堂々と生きている。

 

悪い事には手を出さないで・周囲を不快にしないように必死に心がけて夜になれば1人反省会をして・迷惑をかけないように一生懸命生きようとしている私達だって、大手を振って太陽の下を歩いて・堂々と自分の人生を生きたっていいじゃないか!!

 

私は「何故私ばかり…」と思って生きてきた。

だけど「あんな酷い奴があんなに堂々と生きているんだから私だって堂々と生きたって良くないか?」「あんな連中に、私の人生の大切な道を明け渡して・右に行け左に行けと指示を出されたり進め止まれとゴチャゴチャ言われる必要なんて一切ない」と気付いてから物凄く生きていきやすくなったし、失敗しても必要以上に苦しむことがなくなった。

 

だって「皆、好き勝手やってんじゃん」。

私だって「好き勝手やっちゃっていいんじゃん」。

 

…まあ、今コロナなんで「ある程度の我慢」は必要なんでそのあたりはちゃんとわきまえて。県外へ移動とか「今やっちゃイカンだろ」ってことはやらないですけど。

でも家の中なら好き勝手しよー!アイス食べたろ、アイス!!

 

結局話が脱線しまくりましたが、選挙の投票なんて「自分の自由を取り戻すいい練習」になるんじゃないかな、と私は思います。

誰に投票したのか。嘘ついたって誰にも確認できないみたいだし。

 

無条件に誰かの指示に従って投票したり、周りの人に意味なくコントロールされながら人生過ごしていて「なんかおかしいな」と薄々感じているような人は、ぜひ「自分が勝手に自分の思った通りに行動しちゃう瞬間」を少しずつ積み上げて、「自分の考えで動ける自分」を作っていってほしいなあと思います。