スマートフォン・GoPro・デジカメなどなど。
今の時代はとても気軽に・何枚でも、綺麗な写真を撮影することが可能。
その気になれば、今すぐにでも自分の姿だって撮影できる。
それなのに。
スマートフォンのカメラロールを見ても、過去に撮影した写真を保存したパソコンのフォルダを見ても、家族や飼い猫・食べ物の写真ばかりで自分の姿をキッチリと撮影したものは1枚も無かった。
最後に自分の姿を収めた写真はいつのものだろうか。
遡って探してみると、なんと10数年以上前の自分の結婚式の写真が最後だった。
きっと子供が居れば集合写真などで自分もついでに写真に写りこむ機会に恵まれたのだろうが、あいにく私は子供がいない。
きっとこのままだと誰も私の姿を残してくれることは無いだろう。
夫は自分が撮影されるのは好きだけど私を撮影してくれることは無い。
他の家族も、改まった行事などが無い限り私を撮影することはまず無いだろう。
このままだと私の姿はどこにも残らない。
ならば自分で撮影するしかないでしょう!!
どうせ撮影するなら写真よりも動画の方が自分の動きなどを確認出来て楽しいだろう。
どうせなら、私の愛車も動画に残したいな。
だけど、カメラに向かって1人でポーズを決めるのは…誰も見てないけどめちゃめちゃ恥ずかしい!
万が一撮影中に誰かが通りかかったら…私は恥ずかしすぎて家から外に出られなくなるかもしれない。
素早く最短で!でも私と愛車をきっちり撮影する!
私は誰も通りそうにない・家族も出払ったタイミングを狙ってスマートフォンを片手に持って外へ出た。
そして大急ぎで撮影したいポイントへ向けてビデオ撮影モードを起動。
スマートフォンをイイ感じに立てかけた。
続いて大急ぎで車に乗り込んでエンジンを始動。
カメラを向けている前で車を運転してグルーッと向きを変えて停車。
そして車から降りてスマートフォンを回収して、ビデオ撮影モードを停止。
たったこれだけの、一瞬とも思える撮影だったけど物凄く緊張したし恥ずかしかったし車をもとの位置に戻しながら「何やってんだろう自分」ってなった。
しかも意外と、自分一人で自分を撮影するのは面倒くさい。
ユーチューバーの人たちはいつもこんなことを1人でやってるのか…すごいなと思った。
自分を撮影するだけでも恥ずかしくて顔が赤くなっているのに、さらに一人でカメラに向かって何かをしゃべるなんてできる気がしない。私にユーチューバーは向いて無さそう。
さあ、こんな思いをしながら撮影した動画。
部屋に戻って落ち着いて再生してみる。
カメラを設置してからエンジンをかけるまでが案外長かったけど、車が発進して向きを変えて停車するところから、車を降りてスマートフォンを回収するために走ってくる私の姿まで鮮明にバッチリと撮影されていた。
「グアアアアアアーーーー!!!今すぐカメラをとめろォォォォォーーーーーー!!!!!!!!!」
思わずスマートフォンを地面に向かって叩きつけそうになった。
なんだこの尋常じゃない恥ずかしさ!なんだこの自分の姿!!誰コレ!!???
スマートフォンの動画のクオリティの凄さもさることながら「私ってこんな姿なの!!!?」という衝撃が物凄かった。
私という存在は私にとって誰より身近な存在。
どこの誰よりも一番自分の事を自分が分かっている…はずなのに。
私が思っている「私自身の姿」とスマートフォンを通して客観的に見た「私自身の姿」があまりにかけ離れ過ぎていてすごくショックだった。
きっと私が「ふふ、今の私イケてるわ」なんて調子に乗って動いている姿は、他の人から見ると微塵もイケてなかったんだろうな。
正直途中からもう動画をほとんど直視できなかった。車がほぼメインの短時間撮影で済ませて良かった…。
こんな自分の姿を延々と映し出されたら自分で自分の首を絞めたい衝動に駆られる事必至。動画を確認している今でもすでに雄たけびを上げたい衝動に駆られている。
…ま、まあ一応当初の目的である「自分の姿を残す」というのは達成されたわけで。
なんとかポジティブに考えようと思っているけれど、イメージとリアルの落差が半端じゃ無さ過ぎて…ツライ、ツライよ…誰かこの心の傷をフォローしてください…助けて。
しばらく立ち直れそうに無いし、もうこの動画を2度と再生することは無いだろうけど客観的に見た自分はこんな感じというのを直視することができて、良かったといえばよかったです。知らないまま一生を過ごすよりは…良かったのよね??
とりあえずこの動画を見て「うわあ」って思った部分を少しずつ改善しようと思います。まずは恐ろしくダサかった服装から。
いつか「オホホホホホ、ワタクシを360度好きな角度からどこからでも撮影するがいいわ」と自信をもってふんぞり返ることができる自分になりたいです。
…というわけで、自分の姿をスマートフォンで撮影して客観的に見てみると地獄だった私。
「自分の写真、そういえば全然撮ってないな」「自分って周りからどう見えてるんだろう?」
そんな風に思った貴方!ぜひ自分の姿を撮影してみて!私と一緒に「恥ずかし地獄」を味わいましょう!