似たようなめんどくさいことをやたらと繰り返す人がいる。
やたらと余計なお世話ばかり焼いてくる人が居る。
良かれと思ってやっている事なのだろうけど、周囲からは「うっとおしいな」と言われたり思われたりしている人もいる。
トラブルを起こしておきながら「えっ、なんでこんなことになっているのか分んない」とか言いながらキョトンとしている人もいる。
彼らは皆「自分は正しい」し「良かれと思ってやってあげているのに」と言いたげで、「自分の善意を受け取れない相手に問題がある」といった様子。
周りの人が大人だったり優しかったりするから「あなたの〇〇にちょっと困っているから控えてもらえますか」などと忠告などしないで、肝心な点に対して突っ込まずに黙って見守ってくれている。
しかし相手が悪いと陰で「あの人…うっとおしいけどなんなの?」「あまり話をしたくないよね」などと言われている。
本人は完全に「善意」しかない。
周りからは「邪魔」でしかない。
なんとも皮肉な状況。
こういう人は大体自分から「私は馬鹿だから分からない」とか言い始める。
誰かから責められたり、強い言葉を投げつけられたり窮地に追い詰められると「私は馬鹿だから…。」
何かを失敗したり、うまくいかない流れになってきたときにも「私は馬鹿だから…。」
自分のやらかした行動や発言のせいで相手の顔色が曇っても「私は馬鹿だから…。」
その人が積み重ねた行動が大きなトラブルにつながっても「私は馬鹿だから…。」
この世の中に完全なる馬鹿はそうそういないと私は思うが、私が出会った人間関係の中だけでもこういう「私は馬鹿なんです」と言い出す人はやたらと多くいて、何故か特に40代から上の女性に多かった。
「えっ何?この年代から上の人は自分を馬鹿だと思い込まされるような洗脳でも受けてんのかな???」と思うくらいに。
配偶者や一緒にいる人に「お前は馬鹿だから」とでも言われるのだろうか。
それとも幼少期から育ってきた家庭環境・人間関係の中で「お前は馬鹿だから」とでも言われてきたのだろうか。
純粋な気持ちを持っていればいるほど、相手の言葉を信じる心があればあるほど、他人の評価を「自分はそうなんだな」と受け止めてしまう気持ちは大いに分かる。
私自身も周りの評価を「自分はそういう人間なんだな」と思って生きてきたし、私の母だって何かを失敗したりうっかりしたら事あるごとに父から「お前は…!だからお前は馬鹿なんだ!!」と言われていたので、なにかあるといつも「お母さんは馬鹿だから良く分からないのよー」と言っていた。
しかし今なら思う。
「お前は馬鹿だ」とののしる人は、「その相手のどこが馬鹿だと感じて、何が問題で、どうしたら改善できたり再発を防止したりできるのか」をきちんと言葉を尽くして伝えない。ただただ「お前は馬鹿だから」としか言わない。
言われた方も「お前は馬鹿だ」としか言われないから、自分のどこをどう改善するべきなのか・何がまずかったのか・どうしたら良くなるのかが分からない。
だから繰り返す。似たような失敗を。
そしてなんども「お前は馬鹿だ」と言われ続けると、次第にその言葉に慣れてくる。
そして最終的に「はいはい、私はどうせ何をどうしたって馬鹿なんですよ」みたいなあきらめにも似たような表情で「私は馬鹿だから」と言い出すようになるのではないか…と。
私からすると頭ごなしに「お前は馬鹿だ」としか言えなくて「どこをどのように感じてそういう風に思ったのか・どう直してほしいのかを伝えられない・伝えようともしない」人も十分馬鹿だし失礼だと思う。
相手を非難したり注意したりするのなら、せめて「そう思った根拠」くらい一言伝えてもよいのではないか?
そんな「相手に対するちょっとした言葉」すらも伝えられないくせに手軽に「お前は馬鹿」とか言うんじゃねーよと思ってしまう。
さらに怖いのが、その「私は馬鹿だから」が隠れ蓑になってしまう事。
①「自分は馬鹿だから…」と思っている人(以下 馬鹿だから人)が日々失言や失敗を積み重ねる →
②周囲の人間が不満を募らせる(だけど黙っている) →
③積み重ねられた失敗や失言を発端にトラブルが発生する →
④立ち込める不穏な空気・誰かが割を食わされたり対応してくれたりして事なきを得る →
⑤責められそうになる馬鹿だから人の必殺技「私は馬鹿だから…」発動!! →
⑥それ以上責められず、あきらめる周囲 →
⑦責められず良く分からないままなんとなく穏便に済んでホッとする馬鹿だから人 →
⑧トラブルの原因がいまいちわかっていない馬鹿だから人、再び「日々失言や失敗を積み重ねはじめる」 →
⑨以下無限ループ…みたいな。
自分から積極的に「私は馬鹿だから…」を使って「その言葉の後ろに身を隠す」ことにより、「それ以上責められない」「何も言われなくなる」「自分で自分の事を分かっている感じが演出できる」「その話をさっさと切り上げることができる」「深く考えなくて済む」「反省しているアピールもできる」「責任を回避できる」「学ばなくて済む」と様々な利点もあるし楽ができるのである。
「馬鹿だから」にはさらに言葉が続くと思う。
馬鹿だから… 「しかたないでしょ」
馬鹿だから… 「あなたの方が理解してよ」
馬鹿だから… 「考えたくないの」
馬鹿だから… 「やりたくない」
馬鹿だから… 「変わりたくない」
…馬鹿であれば、すべて許される?
これは本当にそうだと思うけれど、もし私が事あるごとに「私は馬鹿なので…」と口にしているとおそらく周りにいる人たち(特に年下の人たち)に「もう30も過ぎてんのに何言ってんだよ」と思われる事請け合いだと思うし、自分の行動は成功よりも失敗がまだまだ多いけどできる限りの責任は自分で取っていきたいしまだまだ学ぶこともいっぱいあるしリア充にもなっていきたいし「自分、馬鹿ですので…」などと自分で自分にレッテルを貼ってあきらめて立ち止まってしまいたくない。
良いことも・悪いことも・ムカつくことも・爆笑したことも気分の上がり下がりも。
ブログに書いたり人に話したりしながらまだまだ生きて経験を増やしていきたいから。
「自分は馬鹿だから、もうしょうがないよね」なんて笑いながら生きていきたくは無い。
…そういえば、これも「馬鹿だから人たち」と関わってきて思ったことなんだけど、本当に馬鹿で何一つ成し遂げてない人なんて誰一人いなかった。
むしろ「すごくきめ細やかな仕事してたり」「裏方を一生懸命にこなしていたり」「子供を立派に育て上げていたり」「日々の生活をきちんとこなしていたり」する。
これは推測なんだけど、もしかしてその「すごさ」を誰も言葉にしてほめてくれなかったのでは…?
私の世代あたりからじわじわ時代が変わってきた感じがあったけど、そこから上の年代の人は昭和ドストライク世代っぽいから「女が家事子育てあたりまえ」「男が女を褒めるなんてほとんどない」「女は一歩下がって付いてこい」みたいな?「台所に男が入るもんじゃない」みたいな?そういう「これが当たり前!!(ジャジャーン!!←効果音)みたいな?
「台所に男が入るもんじゃない」っていうのは私も幼少期に聞いたことがあって、本当に家の男性陣は入ろうともしなかった。食卓の前に座ったまま「おーい!!氷!!」とか「おーい!!醤油!!」とか自分が欲しい物を大きい声で叫んでて、女性陣が料理をつくる傍ら、小走りで食卓まで届けるっていう状態。親戚男性陣も来客のくせに同様に叫んでたな。「おーい!!マナ!!氷!!」って私はお前の妻じゃねえ!!
あかちゃんかよ!?って思いながら巻き込まれてたけど。「ばぶー!ミルク!!」「ばぶー!!だっこ!!」みたいな。
あかちゃんなら許せるしむしろ喜んで仕えますマスター!!みたいになるけどおっさん連中は…おめーら足生えてんだから冷蔵庫まで歩けや!!運動しろ!!
そんなんだから腹がビール太りでガンガン出て固太りして健康診断引っかかりまくったりしてんだろーが!不健康自慢すんな…つーか毎度毎度千鳥足になって前後不覚になるほど酒飲むんじゃねーわ!!妻に肩借りながら帰るな!!そんな酒臭い口で嫁に向かって「お前は馬鹿だから」とかほざくんじゃねえ!おめーらが転がしまくってる空き缶、口にぶち込むぞ!!
…今はどうなってるのか知らないけど多分変わってないでしょう。
私の頭の中では、こういう不細工なお酒の飲み方する人の方がよっぽど馬鹿。
逆にスマートにお酒を嗜むことが出来る人って素敵だなと思うし、自分が必要だと思う「お酒に入れる氷」とかを自力で用意できる男の人を見るとものすごくビックリします。未だに。
「ええっ…冷蔵後から氷、取り出せるんだ!!!?」
「ええっ!?電子レンジでチン、自分でできるの???」
「食事が終わった食器がシンクに置かれて、しかも水かけてある!!!」
…環境って怖いですよね。
話はそれたけど、「自分は馬鹿だから」と言っちゃう人ってとてつもなく自信が無いのかなあ…と思います。
本当は結構すごかったりするのに、そこを誰にも褒めてもらえてない。
配偶者もテレなのか負けた気がするのかプライドなのか褒めたり認めようとしない。
良いのか悪いのか分からない。自分で自分を認めることもできない。
その環境にいるからその環境に合わせてやっていくしかない。
…認めてくれる人や話を聞いてくれる人、自分の存在ややっていることを肯定してくれる人って本当に重要。そういう人が誰もいなくて「自分で自分をほめたりできない」性格だと誰でもいいから誰かに認めてほしくなって「余計なお世話を焼き始めたり」「余計な口をはさんでしまったり」暴走を始めてしまうのではないだろうか。
世の中に「すべてにおいて賢い人」なんてきっといなくて「すべてにおいて馬鹿」もきっといないと思うから、自分を馬鹿だと卑下してあきらめるような生き方する人が1人でも減ってくれたらいいのになあと思います。